「アライ」として共に歩むための方法!
知っておきたい知識と今日からできること
近年、性的マイノリティ(LGBTQ+)への理解は深まりつつありますが、依然として偏見や差別が存在するのも事実です。
そんな中、「アライ(Ally)」という言葉が注目を集めています。
アライとは、LGBTQ+当事者ではないものの、彼らを理解し、支援する人々のことを指します。
もしあなたが「何かしたいけれど、何から始めればいいかわからない」「もっと深く理解したい」と感じているなら、この記事はきっとあなたの羅針盤となるでしょう。
アライになるために知っておくべき基本的な知識から、日々の生活の中で実践できる具体的な行動まで、ご紹介します。
まずは知ることから:LGBTQ+に関する基礎知識
アライとして行動するためには、LGBTQ+に関する基本的な知識を持つことが不可欠です。
ここでは、主要な用語とその意味、そして多様なセクシュアリティとジェンダーが存在することを理解するための第一歩を踏み出しましょう。
LGBTQ+とは?
- レズビアン(Lesbian)
- ゲイ(Gay)
- バイセクシュアル(Bisexual)
- トランスジェンダー(Transgender)
- クィア/クエスチョニング(Queer/Questioning)
といった、さまざまな性的指向や性自認を持つ人々を包括的に表す言葉です。
「+」は、上記以外にも多様なアイデンティティが存在することを示唆しています。
性的指向(Sexual Orientation)
恋愛感情や性的対象となる性別を指します。
異性愛(ヘテロセクシュアル)、同性愛(ホモセクシュアル)、両性愛(バイセクシュアル)などが代表的です。
性自認(Gender Identity)
自分の性別をどのように認識しているかという、内面的な感覚を指します。
男性、女性、あるいはそのどちらでもない、または流動的であるなど、多様な認識があります。
ジェンダー表現(Gender Expression)
服装、髪型、言葉遣い、振る舞いなど、社会的に「男性らしい」「女性らしい」とされる表現方法のことです。
性自認と一致する人もいれば、しない人もいます。
シスジェンダー(Cisgender)
生まれた時に割り当てられた性別と性自認が一致している人を指します。
トランスジェンダー(Transgender)
生まれた時に割り当てられた性別と性自認が一致しない人を指します。
これらの用語は、LGBTQ+の人々を理解するための基本的な枠組みとなります。
しかし、大切なのは、これらの言葉がすべての人を完全に当てはめるわけではないこと、そして一人ひとりの経験や感情は異なるということです。
知識を深めると同時に、常に相手への敬意と想像力を持つことが重要です。
無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)に気づく
私たちは、育ってきた環境や社会的な通念から、無意識のうちに偏見を持っていることがあります。
これはアライとして行動する上で、まず認識し、向き合うべき課題です。
例えば、「男性は仕事、女性は家庭」「同性愛者は派手好き」といったステレオタイプなイメージは、無意識の偏見の表れかもしれません。
これらの偏見は、LGBTQ+の人々に対する差別や誤解を生み出す温床となります。
自身の無意識の偏見に気づくためには、以下のようなことを試してみましょう。
多様な情報に触れる
LGBTQ+に関する書籍、映画、ドキュメンタリーなどを積極的に鑑賞し、多様な視点に触れる。
異なる背景を持つ人々と交流する
LGBTQ+当事者や、異なる価値観を持つ人々と積極的に対話し、意見交換をする。
自身の発言や思考を振り返る
日常的な会話やSNSでの発信などにおいて、ステレオタイプな表現や偏見に基づいた考え方をしていないか、意識的に振り返る。
アンコンシャス・バイアスに関するテストを受ける
インターネット上には、自身の無意識の偏見を測るテストがいくつか存在します。
客観的な視点から自己理解を深めることができます。
無意識の偏見に気づき、それを意識的に修正していく努力は、アライとしての第一歩と言えるでしょう。
具体的な行動:今日からできること
知識を深め、自身の偏見に気づいたら、いよいよ具体的な行動に移してみましょう。
日常生活の中で、意識的に行動することで、LGBTQ+の人々にとってより安心できる社会を作ることができます。
1.言葉遣いに注意する:
- 性別で人を決めつけるような言葉遣いを避ける(例:「男なのに」「女らしく」)。
- 相手の性自認や性的指向が不明な場合は、性別を特定する代名詞(彼/彼女)を安易に使わず、相手が使う言葉に合わせるか、名前で呼ぶように心がける。
- 差別的な言葉やジョークは絶対にしない。
たとえ冗談のつもりでも、当事者を深く傷つける可能性があります。 - 「普通」「当たり前」といった言葉を、特定の性的指向や性自認を持つ人々を排除する意味合いで使わないように注意する。
2.カミングアウトされた際の心構え:
- カミングアウトは非常に勇気のいる行為であることを理解し、感謝の気持ちを持つ。
- 安易に他の人に話したり、詮索したりしない。
相手のプライバシーを尊重し、信頼関係を築くことが大切です。 - 否定的な反応や批判は絶対にしない。
まずは相手の気持ちを受け止め、共感する姿勢を示す。 - 必要であれば、相談に乗ったり、支援団体を紹介したりするなど、できる範囲でサポートする。
3.身近な場所から行動する:
- 職場や学校などで、LGBTQ+に関する理解を深めるための活動に積極的に参加する。
- LGBTQ+支援団体への寄付やボランティア活動を検討する。
- SNSなどで、LGBTQ+に関する正しい情報をシェアしたり、差別的な言動に対して声を上げたりする。
- 友人や家族との会話の中で、LGBTQ+に関する話題が出た際に、正しい知識に基づいた意見を述べる。
4.「わからない」ことを恐れない:
- LGBTQ+に関する知識は日々更新されています。
わからないことがあれば、遠慮せずに質問したり、調べたりする姿勢が大切です。 - ただし、質問する際には、相手に不快感を与えないよう、配慮を忘れないようにしましょう。
- インターネットや書籍など、信頼できる情報源から学ぶように心がける。
5.間違いを恐れずに、学び続ける:
- アライとしての道のりは、常に学びの連続です。
時には間違った言動をしてしまうこともあるかもしれません。 - もし間違いに気づいたら、素直に謝罪し、そこから学びを得て、次に活かすことが大切です。
- 完璧なアライを目指すのではなく、常に学び続け、行動し続ける姿勢が重要です。
まとめ:共に生きる社会へ
人々が暮らす夜景は、多様な光が交じり合い、それぞれの輝きを放っています。
私たち人間もまた、一人ひとりが異なる個性を持つ存在であり、その多様性こそが社会の豊かさにつながります。
アライになることは、特別なことではありません。
LGBTQ+の人々を尊重し、共に生きる社会を目指す、ごく自然な気持ちの表れです。
今日ご紹介した知識や行動は、そのためのほんの一歩に過ぎません。
大切なのは、関心を持ち続け、学び続け、そして行動し続けることです。
一人ひとりの小さな行動が、やがて大きな変化を生み出すと信じています。
私たち一人ひとりがアライとして意識を持ち、行動することで、誰もが安心して自分らしく生きられる、そんな温かい社会を共に築いていきましょう。
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