現役ゲイカップルが語る!
代理出産で子どもを迎えるまで(パート1)

  • 2023.02.15
  • 2023.05.30

ライフ・生活

私はスペインの旦那とスペインで生活する日本人のゲイですが、私達は結婚当初から子どもを育てるという大きな夢を持っていました。結婚10年目が目前に迫る中、ようやく子どもを迎える決意と環境が整い、代理出産を利用するに至りました。

日本でもスペインでも、代理出産に関する意見はそれぞれで、中には辛辣な意見もあることは十分承知しておりますが、備忘録として私達の代理出産を記事にしていこうと思います。

同じ夢を持っているカップルや代理出産に迷いがある方も多いと思いますが、私達の経験が少しでも参考になれば幸いです。

ゲイカップルが子どもを迎えるための2つの選択肢

子どもがいなくとも幸せに生活できると今でも思っています。
しかし不思議なもので年齢を重ねる度に、子どもがいる人生はどのようなものなのだろう、子どもがいればと生活の中で考えることが多くなりました。

しかし、現実的に子どもを宿せる身体を備えていない男性同士なので考えられるケースは二つだけ。

  1. 養子縁組
  2. 代理出産

これはどこの国でも同じかもしれませんね。
養子縁組をするには職業や年収、入院歴などを徹底的に調べられ、なおかつ数年待ちという厳格さはスペインも日本とで、私達は養子を迎える条件を満たせなかったため却下になりました。

代理出産は私達にとって最後のバトンのようなものですが、一言で代理出産といっても代理母の命が掛かっていることや、商業的な生殖医療を利用する葛藤、複雑怪奇な法律、高額なサービス利用料など様々な要素が絡み合い、安易に考えるべきではないと思っていました。

しかし、代理出産に関する是非は代理母に寄り添ったサービスと医療、法規制が整っているかで判断するべきだと結論づけ、前向きに検討することにした次第です。

代理出産を決意した理由

私達が代理出産を決意した理由についてをここでお話ししていきます。
非常に長いあいだ悩みましたが、私達の心を後押ししたのはやはり大きな環境の変化でした。

代理出産を決める上での障害について

代理出産のプロセスを始める上でいくつか障害になったことがあります。分かりやすく箇条書きにしていきましょう。

  1. 代理母の命が掛かっている(基本的に代理母には自身の子どもがいます)
  2. 同性愛者を排除している代理出産合法国が多い
  3. 経済的な問題
  4. 100%子どもを持てる保証はない
  5. スペインを含めた欧州で代理母が合法になるかもしれないという淡い期待

挙げればキリがありませんが、主に上記が代理出産に踏み切れなかった理由です。

前述でもお話ししていますが、ゲイが子どもを持つことに否定的な意見があるのは重々承知ですし、何よりも自分達のエゴで代理母の命を危険に晒すことへの葛藤は大きなものでした。勿論金銭的な負担についても考えなければなりません。

しかし子どものいない生活に慣れてくると、逆に子どもがいたらどんな生活なのだろうと逆に子どもの存在がどんどん大きくなっていくのです。子どもを持つ前から父性のようなものが勝手に膨らんでいく感覚でしょうか。

代理出産を決めた大叔母の死とコロナ禍

私達『夫夫』にも家族内での小さな夢と言いましょうか、希望がありました。
それは95を過ぎた旦那の大叔母に子どもの顔を見せてあげたいということ。

フランコ将軍が生きた時代に青春を謳歌した大叔母がエレガントなドレスとハイヒール、バッチリメイクで結婚式に来てくれたその日から、何となく二人で「いつかは子どもの顔を」と思っていたものです。大叔母に子どもはいませんので、よりそんな感情が湧いたのでしょう。

その願いは敵わず大叔母は昨年死去、結局彼女の手に私達の子どもを抱いてもらうことは叶いませんでした。しかし大叔母の死が漠然としていた感情に火を付けたのです。

夢はまだ終わっていない、今からでも間に合う。そして年齢的にも今ならまだ間に合うと代理出産に駒を進める決心がついたと言いましょうか。

またスペインの暗黒時代、予期せぬコロナ禍で外出が制限されたことでこのことについて旦那や家族と相談することも多くなり、今まで蓄積していた二人のモヤモヤをクリアにするいいタイミングになりました。

代理出産に関しては、その法規制が社会情勢や政治に反映されることが少なくなく、時間が経てば経つほど必要経費が高くなる傾向も踏まえ、今のチャンスを逃したらもう子どもは持てないかもしれない、そんな焦りが心を動かしたのも事実です。

メキシコでの代理出産を選んだ経緯と代理出産エージェントについて

ついに決断をした私達はメキシコでの代理出産を選択したのですが、ここではなぜメキシコを選んだのか、そして代理出産をする上で必須のエージェント選びについても触れていきたいと思います。

商業的な代理出産について

以前の記事にも書きましたが、代理出産には二種類あり、代理母に金銭の支払いを必要としない非商業的のもの、または金銭の授与が行われる商業的代理出産に分かれます。

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スペインはそもそも代理出産自体が違法ですが、他の欧州各国では無報酬による代理出産ならば合法だったり異性愛者であれば商業的代理出産も可能だったり足並みはバラバラです。

しかし、他の欧州の非商業的代理出産が認められている国で、運よく手助けをしてくれる女性に出会える確率はほぼゼロ。通常私達のようなゲイカップルは、商業的代理出産が可能な国に渡航することが前提になります。

エージェント選び

煩雑なペーパーワークや裁判所の手続きを首尾よく行うには、通常エージェントと契約をする必要があります。日本にも代理出産に強いエージェントが複数ありますが、スペインについても同様であり、私達はマドリードの代理出産エージェントを利用しました。

彼らと契約した理由については、

  • ゲイカップルのスタッフが既に代理出産で子どもをもうけていること
  • 異性、同性カップルに限らず多くの実績がある

という点が私達の決定要因として最も響いたものでした。

メキシコを選んだ理由

整った医療環境と代理母に対する健康管理と保証ができる国としてエージェントに紹介されたのがアメリカとメキシコでした。

例えばコロンビアなども現在はゲイカップルでも代理出産プログラムを利用できるそうですが、実績や社会情勢などの不安要素が捨てきれないため、マドリードのエージェントでの取り扱いはありません(他のエージェントでは取り扱いがあるのかもしれませんが)。

多くのスペイン人が迷うであろうアメリカとメキシコという2つの選択肢。まず断言できることは、お金に全く問題がない層は通常アメリカを選ぶということです。

全州で合法というわけではありませんが、日本以上の医療環境に法規制も整っており、何よりもその歴史と実績が高いため不動の人気があります。

しかし、スペイン人の場合は経済的に余裕があったとしても、メキシコを選ぶカップルは少なくないそうです。

その理由として挙げられるのが、

  • トータルのプログラム料金が経済的
  • メキシコはスペイン語圏であるため意思疎通に問題がない
  • スペインと似た環境に親近感を覚える
  • アメリカと異なり追加費用の請求が少ない
  • 体外受精、胚移植に制限がない

私達がメキシコを選んだ理由も上記と同様であり、特にアメリカに比べて費用が抑えられること、そして多くのスペイン人カップルが既にメキシコで代理出産をしていることが決め手になりました。

勿論メキシコのクリニックと連携しているエージェントが全て同じサービスを提供している訳ではありませんが、妊娠に至るまでの体外受精、胚移植が無制限という点も大きな魅力の一つでした。

まとめ

今回は私達の代理出産に関する考えや決断に踏み切った訳、そしてメキシコを選んだ理由についてまとめてみました。

代理出産の賛否はスペインでも非常に頻繁に議論されていますし、今後合法化される可能性は少ないでしょう。生殖医療と女性の人権、難しいテーマでありますが、私達にとっては代理出産が子どもを持てる唯一のチャンスであり方法です。

個人、社会の理解が追い付くか否かの議論はさておき、新しい家族の在り方と代理出産プログラムは密接に関わってくるはず。昨今代理出産に興味を抱いているゲイカップルも多いと聞きますが、まずは代理出産の仕組み、法的な整備とそこにあるリスクを理解することが大切です。

私達のプログラムも始まったばかり。今後も進捗があり次第、文字として伝えていこうと思っています。

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この記事を書いた人

橋本ウサ太郎

橋本ウサ太郎
新宿二丁目の元バーマネジャー、海外放浪の末、年下スペイン人男性と同性婚。
スペインの田舎町で悶々とした日々を送りながら平和に暮らすゲイ。
アメリカでの代理母出産により二人パパになる予定の三十路ライター。
好きな言葉は、「ペンは剣よりも強し」。

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