ノンバイナリーの代名詞でもある
単数形で使われる英語の「They」の意味とは?

  • 2022.02.28
  • 2022.04.25

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男性と女性、そんな二性だけでは図れないジェンダーがあります男性と女性、そんな二性だけでは図れないジェンダーがあります。
様々なセクシュアリティが生きやすい社会を構築するには、古からの概念や価値観を改めアップデートしていくことが必要不可欠です。

今回のコラムでは昨今よく聞くようになった新しい代名詞「They」について徹底検証してみたいと思います。
多様化して広がっていくジェンダーの在り方を理解し、誤解することなく新しい三人称の使い方を意識していきましょう。

ジェンダーを区別しない代名詞「They」の意味と生まれた背景

2019年にアメリカの「今年の言葉」に選出されたのがTheyです。
私達が勉強してきた英語の代名詞と同じ「I/You/He,She/They/We」の中のTheyとはまた異なる使い方をします。

そこに秘められた意味を知らなければ、なぜそこでTheyを使うのか分からなくなってしまう新しい代名詞。
ジェンダー区別をせず、それぞれの個性やセクシュアリティを尊重した呼称の本質を一緒に学んでいきましょう。

新しい代名詞「They」が担う社会での役割

時代の流れとともにセクシュアリティの在り方も変化して10年前、20年前には無かった性自認を尊重する社会になってきました。

様々に枝分かれするジェンダーが生まれることでポッと出てきた言葉They。
「彼ら」を表すこの英語の代名詞、実はジェンダーを表す上で非常に大切な役割を担っている言葉なのです。

分かりやすくTheyの定義を解説していくのでぜひその意味を覚えてくださいね。

Theyを理解する前にノンバイナリーを知っておこう

ノンバイナリーという言葉を皆さんはご存知でしょうか。
歌手の宇多田ヒカルさんがSNSで自身の性自認をノンバイナリーとカミングアウトをしたことで、日本でもノンバイナリーというワードに着目されたことがありましたね。

Theyを理解する上で知っておきたいのが、このノンバイナリーというセクシュアリティの定義です。
簡単に説明すると、自分が男性、女性のどちらでもないという性自認を持つ人々のことを指します。

中性や無性、もしくはある時は男性に近くある時は女性に近いといった流動的な性を持つ人々がノンバイナリーなのです。

正直なところノンバイナリーを自称する人々の明確な性自認を客観的に判断することはできず、第三者側からは複雑に思えることもしばしば。
なお、ノンバイナリーの類義語としてはXジェンダーや第三の性などが挙げられます。

ジェンダーの中でもノンバイナリーは理解されにくい側面がありますが、当事者にとってはノンバイナリーという性自認が自身のアイデンティティ形成の大切な要素なのです。

私達もノンバイナリーに対する知識を深め、その在り方を消化していける心の器が必要になってきています。
ノンバイナリーについては、下記にもまとめていますので合わせてご確認いただけます。

急増中のノンバイナリーとは?その意味や終わらぬ性の多様性
ノンバイナリー、皆さんの中でもこの言葉を聞いたことがあるという方は、きっといるはずです。 あまり意識はしないと …

男性でも女性でもない新しい三人称They

自分は自分、あなたはあなたらしく。
そこに無理やりジェンダーを当て嵌めなくてもいいじゃないというスタンスこそがノンバイナリーなのです。

伝統的な男性と女性の枠外にあるノンバイナリー、それではノンバイナリーの方は彼と呼ぶべきか彼女と呼ぶべきか、ここで迷いが生じます。

なぜかというと第三者から見たら相手がどんな性自認を持っているかわかりづらい、そして当事者からしてみれば不本意に思える代名詞を使われたら気分を害する訳です。

そんな場合に使うのがTheyなのです。
Theyは代名詞ですが、彼とも彼女とも取れる使い方をする場合に使われますよね。

They are fine.などの文脈を見てもそこに明確な性別を伺えないことから、多様性のある性別を表す代名詞としてTheyが使われるようになりました。

もうお気づきの方もいると思いますが、Theyはこの用法で使う場合、三人称複数ではなく単数で使われています。
ただしその場合でもThey is にはならず、They areが文法的に正しいので間違わないでください。

Theyを使う場合、日本語に訳さないことがコツ

日本人的な感覚で英語を学んでいると、ついつい英単語や文脈を脳や心で理解するのではなく、和訳をすることに注視してしまいがち。

Theyは日本語ではどう訳すのか。そこから入ってしまう方も多いと思いますが、ここではいかにTheyと向き合い、そしてその言葉を応用していけばいいのか解説していきます。

どうやってTheyを使うべきか

私達はTheyという代名詞にぶつかった時にどうしても「彼ら、彼女ら」と訳してしまう傾向があります。
前項でお話しした通り、Theyは敢えて性別を問わない使い方がある為、無理に訳す必要はありません。

下手に「彼ら、彼女ら」と訳すとノンバイナリーという人々の自認を間違えて解釈する場合がある為、Theyを示す為には固有名詞を使うのが適当と言えます。

例えばSamという名前であれば、Theyを彼と訳さずに「サムは~」と脳内で展開していけばわかりやすいのではないでしょうか。

さてここでTheyが使われる場合について解説していきます。
Theyを自ら会話で話すことはあまりないかもしれませんが、英訳された記事やインタビューなどを読む場合は以下のような用法でTheyが使われていることに気づくことでしょう。

  1. 性自認を公にしていない第三者と話すとき
  2. 自身の性自認が男性、女性の物差しで測れないと自ら公表している相手と話すとき

日本においては、ノンバイナリーを公表している方はまだ少ないです。
しかし、この人は男性なのか、女性なのかと第三者から見ても相手の性自認が不確定の場合はTheyを使った方がいいでしょう。

勿論全てのノンバイナリーがTheyと呼ばれることを望んでいる訳ではありません。
しかしTheyは性を区別しない包括的な意味合いを持つ為、ラベル付けせずに個人を尊重できるという意味では覚えておくべき代名詞と言えますね。

まとめ

今回はノンバイナリーの人々に使われるTheyという代名詞に着目してみました。
日本ではわざわざTheyという言葉を使う機会はあまりありませんが、性の多様化が進む欧米ではこの言葉をよく見聞きします。

まだまだ馴染みの薄いTheyですが、その言葉が持つ本質は「見た目や生まれた時の性別ではない、本人が自覚する本来あるべき姿」を受け止める代名詞であり、個人を尊重する意味合いが込められています。

各国でTheyに変わる自国語があり、例えばスペインならばElleという代名詞が使われています。
ジェンダーに関する議論や考察は今後も継続し、新たな性別の在り方が生まれるかもしれません。

そんな時にもTheyの存在意義は揺るがないものになることは明白なので、是非この機会にTheyの意味合いを正しく理解しておくといいでしょう。

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この記事を書いた人

橋本ウサ太郎

橋本ウサ太郎
新宿二丁目の元バーマネジャー、海外放浪の末、年下スペイン人男性と同性婚。
スペインの田舎町で悶々とした日々を送りながら平和に暮らすゲイ。
アメリカでの代理母出産により二人パパになる予定の三十路ライター。
好きな言葉は、「ペンは剣よりも強し」。

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