LGBTQ+フレンドリーな企業。
その選び方と探し方についてを徹底解説

就職や転職は人生の中でも大きな転機ですよね。
特にLGBTQ+の当事者にとって、「自分らしくいられる職場なのか」「カミングアウトせずに安心して働けるのか」といった視点は、企業選びの重要なカギとなります。
世の中には無数の求人情報が溢れていますが、大切なのは「何を基準に企業を探すか」という視点を持つことです。
このチェックリストを参考に、あなたにとって最適なLGBTQ+フレンドリーな企業を見つけるための具体的な方法を見ていきましょう。
情報収集の第一歩:自分と企業を見つめ直す
まず、企業を探し始める前に、自分自身の希望や価値観を明確にしておくことが大切です。
- どんな風に働きたいか?(職種、業務内容、働き方)
- 職場に何を求めるか?(給与、福利厚生、そして何よりもインクルージョン)
- 「LGBTQ+フレンドリー」の優先順位はどれくらいか
「LGBTQ+フレンドリー」であることはLGBTQ+当事者のライフプランやキャリアプランの基盤を作る上で大切な要素ですが、必ずしもそれだけで企業を決める必要はありません。
あなたの「やってみたい仕事」との兼ね合いで、その優先順位を考えてみましょう。
専門サイトを活用する:JobRainbow(ジョブレインボー)
LGBTQ+フレンドリーな企業を探すにあたってまず活用をおすすめしたいのが、LGBTQ+向けの転職・就活求人ウェブサイト「JobRainbow」です。
「LGBTフレンドリー度」が一目でわかる
JobRainbowの最大の特徴は、企業を評価する独自の「LGBTフレンドリー度」基準です。以下の6つのポイントが4段階評価で区分され、企業のダイバーシティへの取り組みレベルが一目でわかるようになっています。
- 行動宣言:企業がLGBTQ+支援を公式に表明しているか
- 研修:従業員向けのダイバーシティ研修が行われているか
- 人事制度:同性パートナーシップに関する制度やトランスジェンダーへの配慮があるか
- 当事者コミュニティ:社内に当事者グループなどがあるか
- 働き方:多様な働き方を認めているか
- Diversity!:その他の多様な取り組みがあるか
基本情報や福利厚生だけでなく、実際に現場で働く人々の生の声やダイバーシティへの具体的な考え方も掲載されています。
個人情報を守りながら活動できる
JobRainbowでは、本名やセクシュアリティの非公開設定が可能です。
応募やスカウトを承認するまでは個人情報が完全に非公開にできるため、「予期しないカミングアウト」の心配なく安心して企業を探し、活動することができます。
また、JobRainbow MAGAZINEで企業の詳しいインタビュー記事が掲載されていることもあるので、気になる企業の記事を試し読みすると、さらに深く企業理念や文化を知ることができますよ。
「リアル」な場を活用する:企業説明会・合同説明会
インターネットの情報だけではわからない、会社のリアルな雰囲気を知るために、説明会へ積極的に参加しましょう。
企業が個別で開催する「企業説明会」と複数の企業が集まる「合同説明会」がありますが、特に注目したいのはLGBTQ+フレンドリーな企業に特化した合同説明会です。
LGBTQ+フレンドリー企業特化の合同説明会
JobRainbowでは、年に一度、LGBTQ+フレンドリーな企業を集めた合同説明会を開催しています。
ここでは、企業ブースだけでなく、来場者同士が情報交換できるブースや、プロによるメイクアップ指導ブースなど、就職・転職活動に役立つ様々なコンテンツが併設されることがあります。
説明会の場では、ぜひ積極的に質問を投げかけてみましょう。
的確な質問は、採用担当者にあなたの名前を覚えてもらうきっかけになるだけでなく、あなたが考える「働きやすい職場」かどうかをピンポイントで見極めるための絶好の機会になります。
企業の「態度」を見抜くチェックポイント
LGBTQ+フレンドリーであるかを見極めるには、企業の「公的な発信」と「実際の行動」をチェックすることが大切です。
チェックポイント 1:公式ウェブサイトの「多様性(ダイバーシティ)」
企業の公式ウェブサイトは、その価値観やミッションを知るための重要な情報源です。
画像に写っている人々の多様性(ダイバーシティ)を確認する
採用情報や企業紹介のページにある写真に、性別や人種、民族の違う多様な人々が写っているかチェックしましょう。
多様な人々が登場している企業は、従業員のダイバーシティに配慮している可能性が高いです。
「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)」に関する文書やページを確認する
公式ウェブサイトに、従業員のダイバーシティやインクルージョンに関する具体的な取り組みが、文書の形で掲載されているかを確認しましょう。
多様な従業員の採用とサポートに取り組む姿勢を明確に表明している企業を探すと良いでしょう。(例:Indeedのように、D&Iに関する専用ページを持つ企業)
【注意点】
6月のプライド月間だけLGBTQ+支援を公言する企業もあります。
年間を通じて、従業員のダイバーシティやインクルージョンを称え、サポートしている企業を見つけることが大切です。
チェックポイント 2:プライド月間中のイベント・SNS投稿
LGBTQ+コミュニティの友愛、受容、誇りを称えるプライド月間(6月)の企業の行動をチェックすることも有効です。
コミュニティイベントへの参加・協賛
東京レインボープライドなどのパレードやフェスティバルに、企業として協賛しているか、または従業員が参加しているかを確認しましょう。
スポンサーとして金銭的なサポートをしている企業は、パレードへの参加を通じてコミュニティを応援する態度を明らかにしています。参加人数だけがすべてではありませんが、応援する姿勢を見せていることが重要です。
SNSの投稿チェック
プライド月間中(6月)に、X(旧Twitter)やFacebook、LinkedIn、InstagramなどのSNSアカウントを確認しましょう。
「#pride」「#lgbtq」「#equality」といったハッシュタグを付けて、LGBTQ+の労働者へのサポートやインクルージョンを意識した画像や投稿を行っている企業は、当事者コミュニティへの意識が高いと言えます。
チェックポイント 3:具体的な福利厚生制度
企業の福利厚生制度は、その企業が多様な労働者をどこまでサポートしているかを測る重要なバロメーターです。
多様な労働者を対象とした福利厚生の有無
特に、同性パートナーシップを対象とした慶弔休暇や各種手当、そしてトランスジェンダーの労働者を対象とした制度(通院・治療のための休暇、戸籍変更前の名前使用に関する規定など)が導入されているかを確認しましょう。
確認方法
- 公式ウェブサイトで福利厚生について説明しているか確認する。
- 人事部門に電話で問い合わせてみる(選考プロセスで身元を知られたくない場合は、知人に代わりに連絡を取ってもらうか、匿名で問い合わせるのがおすすめです)。
情報収集のための面談で質問してみる
選考過程で設けることができる情報収集のための面談(カジュアル面談)は、現従業員や元従業員から企業の雰囲気について直接話を聞く絶好のチャンスです。
この機会を逃さず、ダイバーシティやインクルージョンについて質問してみましょう。
効果的な質問例
具体的な質問をすることで、企業が抽象的な回答でごまかすことなく、具体的な取り組みや考え方を知ることができます。
例①…「従業員のダイバーシティやインクルージョンは私にとって大切な要素ですが、御社では多様な経歴を持つ労働者を採用するために、どのような対策を行っているかを教えていただけますか」
例②…「私は労働者のダイバーシティやインクルージョンを重視しているのですが、御社にはLGBTQ+の労働者のためのグループやリソースはありますか」
例③…「御社はインクルージョンをどのように推し進めていますか」
例④…「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)についてなど、ダイバーシティやインクルージョンに関するトレーニングは行っていますか」
これらの質問を通じて、企業が労働者をどのようにサポートし、どのような意見を持っているかを判断することができます。曖昧な質問をするよりも、具体的かつ前向きな話し合いのきっかけになるはずです。
外部レポートも参考に
企業文化や取り組みの客観的な手がかりを得るために、外部の評価レポートを参考にすることも有効です。
PRIDE指標のレポート
任意団体「work with Pride」が策定する、企業における性的マイノリティに関する取り組みを評価した指標です。
成績優秀な企業のリストが掲載されています。
厚生労働省の報告書
企業におけるダイバーシティ推進事業についての報告書なども参考にできます。
まとめ
LGBTQ+フレンドリーな企業を見つける就職・転職活動は、単なる仕事探しではありません。それは、自分自身の考えや気持ちをしっかりと持ち、自分らしく働ける場所を見つける活動です。
求人サイトの活用から、企業の公的な発信、そして現従業員への直接のコミュニケーションまで、多角的に情報を集めることが大切です。相手を知ることは、自分を知ることにも繋がります。
この記事が、皆さんの就職・転職活動が最良の方向へ歩みを進められるための一助となることを心から願っています。
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