バレる要素とバレないための工夫とは？
カミングアウトせず会社・職場でゲイとバレない方法

LGBTQを取り巻く環境が、ポジティブな方向に変わってきた昨今、それでもやはり「生きづらさ」を感じるゲイ男性は多いと思います。

特に社会生活を送る男性にとって、ゲイバレは何よりも耐え難い恐怖のはず。
今回は会社におけるゲイバレ、カミングアウトの方法など覚えておきたいイロハを解説していくので参考にしてみてください。

会社でのゲイバレ要素とバレない工夫

まず会社において自分のプライベート、そして性的指向をわざわざ言う必要はありません。
しかしながら自分の意図しないところでポロっとゲイである自分の素が出てしまい、陰で噂を立てられる可能性もあります。

ここでは社会生活の舞台の場である会社におけるゲイバレのアレコレや実践したいゲイバレ予防対策を考察していきたいと思います。

ゲイバレを防ぐ為にできる5つのこと

ゲイバレしたらどうなるか？好意的な態度を取られることもあれば、お酒の席で恰好の話題の種になってしまうこともあるかもしれません。
それでは私達ゲイ男性はいかにして、会社でデリケートな性的指向と向き合っていけばいいのか、ここでは考えられるいくつかの方法を挙げてみます。

クールキャラを演じる

会社のアフターファイブ、もはや17時定時は幻と化していますが、会社内での人付き合いには苦労がつきものです。
特にお酒が入る飲み会などは会社で見せる顔とは違う別の面が出てしまうこともあります。

そうならないようにするには、日頃からあまり人付き合いはしないクールキャラを演じてみるのがいいかもしれません。
ただし突然性格が変わったり急に距離を置いたりすると逆に不信を買うこともあるので、この方法は比較的新しい職場でないと難しいかもしれません。

一人称の特定は避ける、または「自分」を使う

二丁目のゲイバーなどに顔を出していると、ついつい会社でも「アタシ」という一人称がポロリと出てしまうこともあるかもしれません。
「俺」、「僕」などの一人称の扱いに不慣れなゲイ男性は就労時も気を揉んでしまいます。

そんな時は硬派な人称として知られる、「自分」を使うことをおすすめします。
「俺」が持つ荒々しさ「僕」が持つか弱さを感じさせない「自分」、意外と便利な一人称なんですよ。

友人の協力で架空の彼女を紹介

ゲイバレを防ぐことイコール嘘の自分で鎧を固めることを意味しますが、しつこい同僚や上司に囲まれた場合は最終手段として、偽装彼女を作るのも一つの手です。
友人、ビアン女性、またはレンタル彼女の写真やデート動画を見せるなどして既成事実を作ってしまう、そんな方もいるようです。

好きな女性のタイプは有名人に例える

一番困るのが「どんな異性がタイプか」と聞かれることです。

あまりぼやかしてお茶を濁してしまうと、「もしかして異性に興味がない？」とバレてしまうので、歌手の××、モデルの△△が可愛いかなというように具体的な女性像を例にたとえるといいかもしれません。

服装、お洒落には細心の注意を！

○○さんはもしかしてゲイなのかもしれないと思われる要素として外せないのが、お洒落さんであること。
元々ゲイ男性はアートや音楽、ファッション関係で活躍している方が多く、ところどころで光るそのファッションセンスには常に一目置かれてきました。

一般的な傾向としてゲイ男性のファッションは上から下までコーディネートされており、ビビットカラーやフラワーモチーフなど個性的なアイテムがあしらわれたシャツなどもしっくり着こなします。

新宿二丁目でもパールネックレスをさりげなく首元に巻いているなど、ファッション評論家のようなコーディネートの方を見かけます。

最近の会社はガチガチのスーツでなく、比較的自由度の高いカジュアルスタイルでの就労を許容しているところが多いので、自分の趣味指向には合わなくても、落ち着いたカラーの奇抜過ぎない服装を心がけるといいでしょう。

なお縞々のラガーシャツはかなりリスキーになってくるので気を付けて下さい。

SNS、ブログにも注意を払う

会社でゲイバレする要素は非常に多彩で、何が原因でバレたのかを明確に特定できない場合もあります。
例えばゲイバーに入るところやゲイの知り合いと一緒にいるところを見られたり、またメッセージの誤送信が原因になることもあります。

加えて最近多くなっているのが、いわゆるツイッターやインスタグラムなどのSNS、または個人のブログを通してゲイバレするパターンです。

暇つぶし感覚でエゴサされてしまったり、知り合いの知り合いが会社関係者だったり、たまたま呟いたツイートがなぜか拡散してしまうことも十分考えられるので、彼氏とのデートに発展場三昧の毎日など、無防備な私生活を投稿する際は鍵垢にするなどの工夫は必須です。

架空の自分を演じ過ぎないように気を付ける

職場でのゲイバレ防止をする際に、困ることがあります。
それは誰にどこまでどんなことを話していたのか、どの程度のウソを突き通していたのか分からなくなることです。

虚偽まみれの自分に嫌気がさして、自分自身が大きなストレスを抱えてしまうことになります。
突き通した嘘がポジティブに反応する場合もあれば、ネガティブな結果を生むこともあるため、自分の心の器の大きさを十分考慮にいれたゲイバレ対策を行う必要があります。

例えば会社の誰にどの程度のウソをついているのか、本当のことを打ち明けたのは誰なのかがすぐにわかるような目印やデータをまとめるなどの工夫も一つのアイデアかもしれません。

油断厳禁な職場のアウティング事情

ゲイバレ対策と同時にやってくるのがカミングアウトとアウティングの波風です。
ここではゲイバレ対策と対岐するカミングアウトについてを解説していきますので、こちらも最後まで読んでみてください。

信頼のおける同僚でもカミングアウトOKとは限りません

信頼のおける仲間や同僚の存在は社会において必須ですが、どんなに心を分かち合っていたとしても、ゲイやビアンなどのデリケートな性的指向には必ずしも寛容であるとは限りません。

翌日には自分の性癖をバラされていた、いわゆるアウティング被害にあうことも十分考えられます。
判断が難しいところですが、信仰する宗教や家庭環境など、表面上の付き合いでは見えない部分で拒否される可能性もあります。

思っている以上にまだまだ閉鎖的な感覚・価値観を軸にした生き方をしている人はいるものなのです。

企業、人事に上司の寛容度に合わせたカミングアウトを

ノンケの自分を演じ切る、ゲイだとはっきりカミングアウトして生きる、どちらが正しくも間違っているともいうことはできません。
しかし、もしも会社でカミングアウトを考えているのならば、その職場環境や会社理念が多様性を重要視しているのかどうかを考慮しなければなりません。

特に外資系企業の場合は、同性パートナーに対しての福利厚生を充実させていることもあり、会社の重役や社員がLGBTQであることも少なくありません。
つまり性別や国籍に関係のない職場作りを徹底しており、それらはトイレの使用から人事の採用状況まで、様々な点にまで及んでいます。

逆に地方の会社の場合は、小さな世間体を凝縮化したような構図、いわゆる昔ながらの会社経営をしているところもありますので、このような場ではノンケを演じ切る方が賢明です。

つまり、働く場の環境、ダイバーシティへの寄与や関心があるのか等を考慮した上で、ゲイバレ対策、またはカミングアウトをするべきといえるでしょう。

まとめ

バッシングをさらりと交わせるような処世術、それらをユーモアに変えていける方はゲイである自分を容易にオープンにできます。
しかしながら多くの方は、カミングアウトすべきか否かに揺れながら生活をしているはずです。

ゲイバレするかしないかは社会生活において無視できない重要項目なのです。

ノンケのフリをすることが偽りの自分であったとしても、それで仕事に集中できるのであれば、それは正しい選択と向き合い、逆にそれがストレスになるのなら、きっぱりカミングアウトするか、またはLGBTQフレンドリーの会社に転職することも考えなければなりません。

どちらにせよ、まずは自分の性格と向き合い重荷にならない手段を選択しながら、自分の居場所を確保していきましょう。
今回の記事で解説した方法だけが、ゲイバレ対策ではありません。それらを参考に自分なりの伝え方やスタイルを考えてみて下さい。