プライド月間の「プライド」とは?
その定義や歴史などパレードなどと合わせて解説

日本そして世界各地で行われているプライドパレード。
少々ドギマギしてしまう格好でパレードを歩く方もいればドラァグクイーン、異装姿の方も少なくありません。

当事者以外からの関心も高くなっていますが、さて皆さんはプライドの意味について考えたことはありますか?

LGBTQが迫害された歴史から学ぶプライドの定義

東京でもプライドパレードが開催されていますが、プライドについて問われるとイマイチ分からない。「誇り、自尊心」という意味のPrideが語源になっていることは明白ですが、LGBTQ当事者でもその定義と歴史を正しく把握している方は少ないです。

今回の記事ではプライドパレードを知ることにクローズアップしていきたいと思います。

アメリカの歴史から紐解くプライドの意味

日本ではゲイパレードと一括りにされてしまうことが多いのですが、世界ではLGBTQのパレードを「プライド」と形容しています。あまり気に留めず単語を聞き流してしまうと、何を指しているのか分からないですよね。

日本ではポジティブにもネガティブにも捉えられるプライドという言葉ですが、ここではなぜLGBTQのパレードがプライドと呼ばれているのかについて解説していきます。

プライドとは?パレードの歴史から振り返るその定義

プライドとは英単語そのままの意味に加えて、LGBTQつまりは性的少数者のパレードを表す言葉として使われています。異性愛者の方にとってはピンと来ない言葉かもしれませんが、プライドとは日本だけでなく世界で行われるLGBTQパレードの総称です。

宗教的な側面からゲイやレズビアンに関しては長らく迫害の対象になり、その存在が罪とみなされてきた歴史がありました。そんな時代背景があるからこそ、誇りという意味合いのプライドがLGBTQコミュニティーを表す言葉になったと考えればしっくりきますよね。

またアメリカはマンハッタンのゲイバー「ストーンウォール・イン(Stonewall Inn)」で起きた警察による暴力事件がキッカケとなりプライド運動が生まれたとも言われています。

今から約55年ほど前、1969年6月の出来事。
そこで勃発した警察と性的少数者のにらみ合い……。

今の時代では考えられない抑圧されたアメリカ社会で起きた暴動が、自由の国アメリカにおけるゲイプライドの起源であり、性的少数者の平等と権利を主張する場としてのパレードに変貌していったのです。

コミカルでお祭り的な要素も強いゲイプライドですが、そこにはLGBTQが迫害されてきた事実に対する抗議、権利を求める意味合いが存在していることを忘れてはなりません。

虹色のレインボーフラッグとプライドの関係性

プライドに欠かせないものが、目に鮮やかに映るレインボーフラッグです。
日常生活でも目にすることが多い虹色フラッグですが、この旗がゲイプライドで利用されることになったのは1978年のこと。

LGBTQの人々の権利、主張をより固持し、コミュニティーの団結や力を示す為に、アーティストのギルバート・ベイカー(Gilbert Baker)に旗を依頼したのが始まりです。

当初は8つのカラーだったそうですが、最終的には現在の赤、橙、黄、緑、青、紫の6色のレインボーフラッグができあがりました。

8色全てに各々の意味が込められていたのですが、結局は何色であってもLGBTQの多様性や人種などを連想させることには成功していますよね。もしレインボーフラッグを見かけたら、そんな歴史背景を思い出してみてください。

6月がキーワード!それぞれの国で異なるプライド月間

プライド月間と言われて、即座に答えられる方は少ないと思います。
通常プライド月間は6月であり、世界各地で性的少数者の権利啓発に関するパレード、イベントが行われます。

前項で説明したように6月は「ストーンウォールの反乱」に起源があります。

数十年前と比べればLGBTQへの理解は深まっていますが、欧米基準からするとまだまだ日本においては根強い偏見や差別が残っています。(土地や国による価値観の相違もあるので、全てを欧米と比較するのも良くないのですが……)

ここでは日本ではあまりスポットライトが当たらないプライド月間について解説していきたいと思います。

世界で異なるプライドパレードの開催時期

当然ですが日本においては日本における差別、偏見が渦巻き、その権利を主張する場がゲイプライドになるわけです。

アメリカにはアメリカの、オーストラリアにはオーストラリアの主張の場があり、その代表的な取り組みは先ほどお話した通り6月に行われる場合が多いです。

スペインの場合ですと、プライドが行われる場所によっても開催時期は異なり、5月から7月に開催されます。

一方、日本の場合は4月から6月にかけて行われる場合が多く、必ずしもワールドスタンダードの6月に開催されるわけではありません。同じ思いを持ってパレードをしていても、プライド月間は異なるわけですね。

ゲイプライドに参加してみよう!

日本においても性の多様性に関するあり方はさまざまな切り口での解釈が可能で、なかなか議論がまとまりません。

同性婚、トランスジェンダーの扱いや誰でもトイレなど、何が正しくてどこからが差別対象になってしまうのかの線引きはとても難しいですよね。

海の向こう側ではどんな取り組みをしていて、どんな権利を認めているのか?日本は独自の文化、価値観の中でどこまでLGBTQの権利を認めていくのか。

性的少数者が声を上げにくい点は否定できませんが、実際にゲイプライドに参加して、平等に向けた一歩を主張していく。それが山積みになった問題解決に向けたスタート地点になっていくのかもしれません。

LGBTQ当事者でもゲイプライドに参加するのに二の足を踏んでしまう方が多いかもしれませんが、参加して初めてわかる気づき、同調して初めて知る団結することの大切さを感じ取れることでしょう。

まとめ

プライドパレードに協賛する企業も増え、アライやストレートの方の参加も徐々に多くなってきました。

プライドの意味、そして6月に開催されることが多いその理由、そこにはLGBTQの人々が歩んできた歴史があり、それを未来に継承する意味合いが含まれているのです。

過去は過去と蓋をするのではなく、そこに生きていた人々と差別の過去、尊厳と権利を求めてきた歴史を胸に刻み、私たちもプライドを持って声を挙げていくことを忘れてはなりません。

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この記事を書いた人

橋本ウサ太郎

橋本ウサ太郎
新宿二丁目の元バーマネジャー、海外放浪の末、年下スペイン人男性と同性婚。
スペインの田舎町で悶々とした日々を送りながら平和に暮らすゲイ。
アメリカでの代理母出産により二人パパになる予定の三十路ライター。
好きな言葉は、「ペンは剣よりも強し」。

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