メディアなどの影響からそう思う人も多い?
つい”勘違い”してしまいがちなゲイの特徴5選

  • 2020.07.17
  • 2020.08.07

ライフ・生活

今やLGBTという言葉は多くの人に知られ、ダイバーシティー、多様性といった言葉が国会などでも取り上げられるほどになりました。
実際にゲイを取り巻く環境やゲイに対する理解というのも、一昔前と比べればかなり広がってきています。

しかしながら、実際にカミングアウトをしているゲイというのは圧倒的に少数派です。
そのため、多くの方にとっては自分の周りにゲイの知人や友人がいるという方は多く無いのではと思われます。

そのため、テレビやネットなどではよく耳にしたり接する事があったとしても、実際のゲイと話したり会った事がないため、まだまだ勘違いされてしまう事も多くあります。

以前の記事でも少し触れたりしましたが、その代表の1つがゲイはオネエ言葉を話すといったものもありました。

もちろん、全てのゲイがオネエ言葉を話しているなんて事はありません。
それでもやはり接する機会などがなくメディアなどの影響で、ノンケの多くがゲイについて、まだまだ勘違いしがちなことがあります。

もし、あなたの周りにゲイがいたり、ゲイと話をするきっかけなどがあった際に、変な勘違いをしないためにも、今回はノンケが勘違いしがちなゲイの特徴5選についてお伝えしようと思います。

勘違いされやすい特徴1:男女両方の心が分かる

これは男性・女性を問わない事が多いですが、ストレートの人たちは「ゲイは男心と女心の両方を分かっている」と思っているようです。

これはもしかしたら、メディアなどの影響も強いかもしれません。
テレビに出ているオネエタレントの中には女子力が高い事を売りにしている人もいますし、「わたしたちは両方の気持ちを理解できるの」などと言ったりしているからかもしれません。

もちろん、実際に女性以上に女子力の高いゲイもいますし、男心と女心の両方がわかるゲイもいますが、全員ではありません。

例えば、女子力の高いゲイのなかには、女性の気持ちは考えなくても分かるけど、男性がどういう思考回路を持っているのか理解できない、という人もいます。

かと思えば、「そもそもなぜ化粧して自分を綺麗に見せたり、若く見せたりしたいのか、意味がわからない」といった感じで、女心が全く理解できないというゲイもいます。

人の性的指向はグラデーションのようになっている、というのが今の社会では通説になっています。

そもそも、男性の心、女性の心というひとくくりにしてしまっていますが、男性も女性も、そしてゲイもまとめられるものではありません。
カワイイを好む人もいれば、カッコイイを好む人もいますし、小さいを好む人もいれば、大きいを好む人だっています。

ゲイも同じで、例えば男脳の割合が高い人、女脳の傾向が強い人など、さらにはその傾向の強さなどもバラバラで同じ人は1人とていません。
ですから、「ゲイは男心と女心の両方を理解できる」というのはテレビなどの盛り上げるためのものであると理解しておいていただけると助かります。

勘違いされやすい特徴2:マッチョが好き

確かに、男性を性的対象としてみるのがゲイなためマッチョが好きなゲイも多くいます。
また、実際に自分自身を鍛えるためにジムに通うゲイがたくさんいるというのも事実です。

とはいえ、先ほどと同じようにゲイの全てがマッチョ好きではありません。
マッチョに興味がないゲイだけでなく、マッチョが苦手というゲイもたくさんいるのをご存じですか。

ゲイも当然ながら好みというのは人それぞれで結構細かく分かれています。
人気のマッチョだけでなく、例えば、

  • 太った人が好きなデブ専
  • 歳を重ねた人が好きなフケ専
  • 痩せた人が好きな細専
  • ジャニーズ系が好きなジャニ専
  • とにかく若い人が好きな若専
  • 外国人が好きな外専
  • 基本的に誰でもオッケーな誰専

といったような呼び名が付けられるくらいには多種多様です。

もちろん、これらはあくまでも好みのタイプというだけで、他にもメガネをかけた人が好きとか、スーツを着た人が好き、制服を着た人が好きなど、いわゆるフェチと呼ばれるものを含めていけば、100人のゲイがいたら100通りの好みがあるといっても過言ではありません。

だからこそ「二丁目にゴミは無しという、新宿二丁目にはたくさんのゲイがいるけど、それぞれに需要があるから誰からも好かれない人はいないという意味の言葉があるのです。

確かにメディアなどではゲイというとついマッチョ型のゲイを取り上げられますが、全てのゲイはマッチョが好き、マッチョに憧れているといったことはないので注意しましょう。

勘違いされやすい特徴3:芸術的な才能を持っている

今の世の中、芸術に関する職業はたくさんあります。
こういった芸術に関する分野では女性が才能を発揮しやすいと言われていて、活躍しているゲイが多いのも事実です。

俳優やモデル、ダンサー、音楽家、画家、デザイナー、ピアニスト、セラピスト、メイクアップアーティスト、美容師、彫刻家、映像編集者、カメラマンなどよく聞く職業だけでも挙げだせばきりがないくらいに今は存在します。

そして、男性が好き=女性的な面を持ち合わせていると考えられている傾向があるためか、ゲイには芸術的な才能を持っていると思われている人が多くいます。
これもテレビやメディアの影響に、もしかしたら大きく左右されているかもしれません。

テレビに出てくるゲイの方は当然芸能人として出てくるため、何かしらに秀でていたり目立つ突出した技術や何かを持ち合わせている方が多いです。
ストレートの方でゲイを身近に見かけるとなると、やはりテレビになるため、メイクアップアーティストやデザイナーなどのイメージが強くなるのかもしれませんね。

とはいえ、実際のところはどうかというと、多くのゲイはノンケと同じように普通に電車で通勤をして、会社勤めをしているのが圧倒的多数です。

これは筆者の推測ですが、こうした芸術的な分野では同性愛に対する偏見が一般的な企業よりも緩やかで、どちらかというと理解がある傾向が強いです。

そのため、ゲイとオープンにしていても働きやすいこともあり、会社勤めをしているゲイよりもカミングアウトしている割合が高いため、また職種も目立ちやすいため、そういうイメージが強くなる傾向があるということなのではないでしょうか。

実際、芸術関係で仕事をしている知人のゲイは、自らの性的指向をオープンにしている人が結構います。
逆に、大企業でビジネスマンとしてバリバリ仕事をしているゲイもたくさん知っていますが、カミングアウトしている人はほぼゼロです。

芸術的な方面に進むと華やかなイメージがあったり、目立ちやすいということもあって、ゲイの多くは芸術的な何かに秀でてるかと思う方がいますが、もちろんそういう人もいますが、そうでない人もいます。

勘違いされやすい特徴4:成長過程でゲイになった

このあたりは当事者でないとわからない事だとは思いますが、性的指向は先天的な要素が強いと言われています。
そのため、よくゲイであると知ると「いつからゲイになったの?」とか「ゲイに目覚めたのはいつ?」といった質問をノンケから受けることがあります。

彼らとしては、おそらく何かのきっかけがあって、ノンケからゲイに変異したと考えているのかもしれませんが、これは勘違いだと思います。

もちろん、性的指向はグラデーションのようなものなのと言われていますから、もともと女性が好きだったけど、ある時期を境に男性に興味を持つようになった、という人もいると思います。

とはいえ、先ほども書いたように性的指向は先天的な要素が高いと言われているため、多くのゲイは本人が気づくかどうかは別の話ではありますが、生まれつきにゲイであることが多いのです。

そのため、先ほどのいつからゲイになったのか、といった質問やゲイと目覚めたのはいつかといった質問は、「生まれつき」「気付いたら」となるのです。

実際、もしあなたが女性が好きな男性であったとして、「いつから女性を好きなったの?」と質問されたらなんと答えるでしょうか。
ほとんどの人は「生まれつき」とか「気づいたら」といった感じの答えになると思いますし、あ、今、自分は女性を好きになったな。というタイミングなどはないはずです。

もし成長過程の途中でゲイになるのだとしたら、逆もいないとおかしな話になります。
逆にゲイからノンケになる人もいないと、説明がつかなくなりますが、実際にはそういう話はあまり聞く事はありません。

勘違いされやすい特徴5:セックスが大好き

一昔前の辞書には「同性愛は性的倒錯」と定義されていた時代がありました。
この影響も大きいのかもしれませんが、ゲイはセックスに目がなく、相手さえいればいつでも欲情してすぐに誰とでも関係を持つ、と勘違いされやすいです。

現在の日本においては、ゲイのカップルになったとしても、同性パートナーシップ証明制度といった準じた制度こそありますが、男女のような結婚の制度はなく基本的には自由恋愛が前提となっています。

それゆえ、例えカップルであったり、特定のパートナーがいたとしても、いわゆる浮気のような不貞行為があったとしても、法的な拘束や罰則を受ける事はありません。

そのため、やや拡大解釈をして、浮気し放題=セックスし放題=ゲイはセックスが大好きでいつでもその相手を探していると、思われてしまう要因かもしれません。
また、発展場などとにかくその場限りでやれればOKという出会いの場があったりすることも要因かもしれません。

しかしながら、当たり前の話ですがそんなゲイ=セックス大好きという図式が当てはまるはずはありません。
それどころか、ゲイのなかには「セックスが好きではない」「あまりセックスをしたいと思わない」と考える人もいます。

「キスだけで十分」といった方や、「ハグしたり添い寝したりしているだけで気持ちよい」と感じるので、セックスを必要としていないのです。

そもそもすべてのゲイがアナルセックスをしているわけではないですし、アナルセックスには事前に準備が必要なので、それが面倒だと考える人もかなりの割合でいます。

また、ゲイの中にもいまだに正しい知識を持てておらず「男とセックスすると性病に感染するからやりたくない」とか「病気が怖いからセックスはしたくない」という人もいます。

これについては、また別の話になるので、機会を設けてお伝えしようと思いますが、いずれにしてもゲイはセックスが大好きというのは、よく勘違いされやすいことの1つです。

まとめ

これまで5つの勘違いされやすい特徴としてあげてきました。
LBGTやダイバーシティーといった単語はよく使われるようになってきましたが、まだまだ本質にまで迫っているとは言い切れません。

昔と比べればゲイをとりまく環境や理解度は高まったとは思いますが、それでも実社会でカミングアウトした一般のゲイの知人がいるという方は少数派だと思います。

そのため、やはりゲイのイメージはメディアによって大きく左右されてしまいます。
多くの人が見ているメディアであればあるほど、また、その人が影響力が大きければ大きいほど、ゲイ=○○と結び付けられやすくなり、勘違いされやすくなります。

メディアは目立ってなんぼの世界でもあるため、このあたりは致し方ない部分もありますが、あの人がこう言ってたから、ゲイはみんなこうなんだという結びつけはしないでもらえると助かります。

ゲイとひとくくりにしても、実際には色々な人がいます。
あなたと同じ人が世界に誰一人としていないのと同じで、ゲイもその人、その人によって様々です。

ついテレビなどの情報で勘違いしやすいものではありますが、こういった事を少しでも頭の片隅に入れておいていただけると嬉しい限りです。

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この記事を書いた人

いなば

いなば
神奈川県生まれ。小学生の頃から何となくゲイだと気付き、中学高校と男子校で過ごすなかでセクシュアリティーを確信。大学在学中に母親へカミングアウト済み。
20歳で初めて自分以外のゲイと出会う。
相方の海外駐在に伴い、退職して赴任先へ付いていったことも。
生意気で向こう見ずなクソガキ時代から年齢を重ね、徐々に穏やかで楽天的な性格に。元新聞記者で現在はライター・カメラマン・インタビュアーとして活動する東京在住の40代ゲイ。

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