興味本位で色々聞かれる事がありますが
ゲイに質問しないほうが良いと思う5つのこと

以前に、ゲイ当事者があまり言われたくない事をテーマに取り上げました。
今回は似たようなテーマで、ゲイとして、こういった質問はよくされるけど、実際はちょっとな…と思っていることをまとめてみました。

これだけLGBTといった話題が認知されつつある時代ですから、ゲイがテレビの中にだけ存在する、と思っているような人はいないかと思います。
かといって、実際にゲイの知り合いがいるという方も、まだまだかなりの少数派です。

そんな人が、初めてゲイと会ったり話をする時、つい興味本位であれこれと聞いてしまったりすることがあります。

ゲイに理解を示してくれたり、いきなりの拒絶されたりではなく、興味を持ってくれたりといったことはとても嬉しいのですが、どんな人間関係にも適切な距離感があるように、ここまで踏み込んでもらったら困る、という一線があったりします。

今回はそんな一線を越えないように、ゲイが質問されて困ることについてお伝えしようと思います。

ポイント1. 男役(タチ)と女役(ネコ)どっち?

これはノンケ(異性愛者)の方々がゲイに聞きがちな質問のひとつです。
おそらく聞いている方は悪気がなく、いわゆる男性側なのか、女性側なのかを知りたいのだろうと推測はできます。

しかしながら、言うまでもありませんが、これは性的な行為の内容を聞いているということです。
男女のカップルに「あなたたちはどんなセックスをしているのですか?」と質問しているのと同じなのです。

実際にそんなことを聞かれたら、誰でも「失礼だな」と感じてしまうでしょうし、そんな事を聞く人はよほどのことないかぎりいないはずです。
にも関わらず、ゲイにはこのような質問を投げかける方が残念ながらいらっしゃいます。

一応、タチとかネコという言葉を聞いたことのない方のために説明すると、タチというのは性行為の際に攻める側のことで、ネコはその逆だというのが一般的な認識。
といっても、話はそんなに単純ではありません。

そもそもゲイには男女のように役割がある程度決まっているわけではないからです。
そもそもの同性間だけでなく、異性間の男女の恋愛でも十人十色ですよね。

ハグやキスだけで満足する人もいますし、性行為についても、オーラルセックスやアナルセックスなど様々な形態があります。
タチやネコのほかにリバ(タチもネコも可)という人もいるのです。

そのため「タチなの?ネコなの?」という質問をノンケがゲイにするのはとても失礼なこと(ゲイ同士でもその質問を失礼だと感じる人も多くいる)、ということを知っておきましょう。

ポイント2.好みは?

「どういう異性が好きなのか?」というのはノンケの男性同士や女性同士、もしくは男女間ではありがちな質問ですが、あまりゲイには聞かない方が良いと思っています。

というのも、そもそもの恋愛の話というのは、親しい友達の間でするものであって、ちょっとした知り合い程度の人に聞いたりしないはずです。
例えば婚活などでは別ですが、そうでない普通の場で初対面や数回会った相手に、どういう異性が好きかといったテーマの会話にはなりません。

これは、相手がゲイであっても同じだと考えてもらえると嬉しいです。

まだまだカミングアウトをしている方は少数派なため、ついゲイの当事者を見ると質問してみたいという気はわからなくはないのですが、動物園の珍獣を見かけたかのように、ゲイに対する興味本位丸出しで質問されるとあまり良い気分にならない方も多いはずです。

そもそも論にはなりますが、好みというのは多種多様です。
ゲイでもマッチョで短髪なゲイが好きな人、ジャニーズ系のような美少年のゲイが好きな人、太ったゲイが好きな人、年配のゲイが好きな人と様々です。

(日本一のゲイタウンである新宿)二丁目にゴミ(誰からも興味を持たれない人)は無し」という言葉もあるくらいです。
そのため、「どういう男が好きなの?」というのは、相手が恋愛の話を振ってこない限り、聞かないであげてください。

ポイント3.あの人はゲイ?

ゲイはある男性を見たとき、その人がゲイかどうか、ある程度判断できる能力を備えていることが多いです。
筆者も10分ほど話をすればその人がゲイかどうか、相手が意図的に隠そうと一生懸命に演じていない限りは、なんとなくですが分かります。

ノンケの方もそのあたりのゲイの審美眼を知っているようで、よく「◯◯さんはゲイかな?」「この会社(や学校)には、あなたの他にゲイはいるの?」などと聞いてくる人がいます。

しかし、当然これはやめた方が良いです。
そもそもゲイかどうかは本人の認識による部分が大きいですし、仮にその人がゲイであったとしても、自らカミングアウトもしていないのに周囲から決めつけてはいけないと思うからです。

「あの人はゲイです」と周囲にバラすことは「アウティング」と呼ばれ、倫理的に許されることではありません。
以前にもそういったニュースが流れたことがありご存じの方も多いはずです。

このような質問をする方は、同性愛者と周囲にバレてしまうことで、ゲイが受ける精神的かつ社会的な不利益を理解していないことが多く、単なる興味本位で聞いてしまいがちです。

もしくは、その男性に好意を抱いている女性が「ゲイなのかどうか確かめたい」といった理由や、彼女が全然いない人をからかうつもりで「ゲイかどうか確かめたい」といった理由など、自分の欲求を満たすためだけに質問しているケースも見受けられます。

どちらもその男性に対する配慮が著しく欠けているだけでなく、「あなたはゲイだから判断できるでしょ」という理由で質問されたゲイの心も踏みにじることになります。
周りにカミングアウトしている筆者も「他にもここにゲイはいるの?」と聞かれ、開いた口が塞がらなかったという経験があります。

ポイント4.恋人はいる?

これは同性愛者かどうかに限った話ではなく、そもそも恋人がいるかどうか、というのは極めてプライベートな質問です。

あなたが誰か良い男性を紹介してあげたいと思っているなら聞いて良いかもしれませんが、「誰か良い人いないかな?」などと相談されない限り、余計なお世話になってしまうかもしれません。

ポイント5.家族は知ってる?

ついゲイに出会うと、色々なことを質問したくなるのかもしれませんが、当事者にとって「家族」というのは1つの大きなテーマになるため、あまり聞かない方が良いと言えます。

なぜなら、ゲイが抱えている悩みのひとつとして「両親や家族にカミングアウトするべきかどうか」という問題があるからです。

両親や家族というのは、最も近い関係にいます。
その最も近い人に対して、常に嘘をつき続けていたり、本当のことを言わないでい続けたりするというのは、非常に辛い事なのです。

カミングアウトした方が両親のためになるのか、はたまた黙っているのが家族の幸せなのか、それを知った両親や家族はどう思うのか、そういった事を常に頭の中で考えてはしまいますが、実際には正解や答えはないため本当に悩むのです。

カミングアウトするにしても、しないと決めた場合でも、本人の心の中での葛藤があるケースがほとんどです。
また、カミングアウトやアウティングがきっかけで、家族との関係がギクシャクしてしまったり、場合によっては疎遠になったり絶縁になったりという人もいます。

そして、多くの場合、家族は知ってるかと聞いて、知ってるや知らないという答えのどちらであってもそこにあるのは興味でしかありません。
もし家族も知っていると答えると、どんな感じだった?ショックは受けてなかった?理解してくれてるの?といったような、さらなる質問がくる事も予想されます。

なので家族のことは、相手が自分から話さない限り、そっとしておいてあげましょう。

まとめ

ここまで、ゲイが質問されて困ることについてお伝えしてきました。
ただよく読んでいただければ難しいことではなく、基本的に「自分が聞かれたくないことは、相手にも質問しない」ということになるのではないでしょうか。

しかしながら、ゲイだと珍しいという思いが先走ってしまい、普段の初対面の相手には聞かないようなことも聞いてしまいがちです。

また、個人のプライバシーに関わることについても、相手との距離感を確認してから尋ねるように心がけるのが良いのかもしれません。
それらのことを押さえておけば、相手の心を傷つけるような事態には陥らないと思います。

ゲイとわかっても、興味本位で質問するのではなく、適度な距離感を保って、良好な人間関係が築いていただけると嬉しい限りです。

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この記事を書いた人

いなば
神奈川県生まれ。小学生の頃から何となくゲイだと気付き、中学高校と男子校で過ごすなかでセクシュアリティーを確信。大学在学中に母親へカミングアウト済み。
20歳で初めて自分以外のゲイと出会う。
相方の海外駐在に伴い、退職して赴任先へ付いていったことも。
生意気で向こう見ずなクソガキ時代から年齢を重ね、徐々に穏やかで楽天的な性格に。元新聞記者で現在はライター・カメラマン・インタビュアーとして活動する東京在住の40代ゲイ。

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