ゲイカップルの子作り事情を紹介。
友人のレズビアンと協力?それとも代理母出産?

映画のようなゲイカップルと子どもたちの家族構築、それは決して無理難題な夢物語ではありません。でもどうすればよいのでしょうか。

LGBTQ界隈でしばしば大きな議論の的になるゲイカップルの子作り、そして子育て事情。
ここでは特に気になる百合女子との子作り、そして代理母出産にスポットライトを当ててみたいと思います。

スポイト受精?!レスビアン女性と子作りを励むという選択肢

ゲイの子作り、それは妊娠できる土壌が備わっていない男性だからこその難しい局面があります。
日本においてゲイカップルがまず考えるのが、ビアン女性と協力をして子作りに励むというもの。

一筋縄ではいかないのが就活、婚活、そして妊活です。
しかしながら足りないものを補い合う形で協力して妊活するのは、賛否両論こそあるものの互いの利害が一致すれば可能です。

ここではまずゲイとビアンが協力し合いながら妊活をすることに軸をおき、欠かせない選択肢になるであろうスポイト法をご紹介していきます。

シリンジを通して受精を狙う

随分前に見た、ゲイカップルの映画を思い出します。
それは普通のゲイカップルと一人の我が強い女性との間に巻き起こるなんてこともない日常、そしてスポイトを通して子作りに励むというありそうでなかった微笑ましいストーリー。

女性がタイミングを見計らい膣内に細いカテーテルを挿入し、受精を狙い一気に精子を膣の奥に放出するというものがスポイト法です。
非現実的な方法にみえますが、これはシリンジ法と呼ばれ、実際に男女カップルの間でも行われています。

身体を重ね合わせる必要なく女性の敏感なサイクルに合わせて注入タイミングを選ぶことができるので、ゲイ男性、ビアン女性に最も支持されています。

実際どこでも購入できるスポイトを使う方はあまりいませんが、妊活においてもこのシリンジ法は有益と考えられており、性交痛や二人の時間が合わない男女カップルの為に、妊活サイトにおきシリンジキットも販売されています。

実際妊娠の可能性に関しては母体の年齢やタイミングにもよるので、確率論を引き合いにだすことはできませんが、体外受精、人工授精などに比べて圧倒的にコスパが良いのもシリンジ法が支持される理由になっています。

シリンジ法の弱点とは?

ゲイ男性にとっても、ビアン女性にとっても金銭的、精神的負担が少ないと考えられているシリンジ法ですが、勿論そこにもデメリットと言える留意するべき点はあります。

まずダイレクトに性交を通して射精をするわけではないという点。
比較的長い先端を持つシリンジを膣に挿入できるといっても、コントロールが難しく、膣の奥に精液がきちんと届けられるかに疑問が呈されます。

医学的な検証はできませんが、カップルの性交時には膣内のペーハーコントロールが一役買うといいますが、その観点から考えると物理的接触を介してのダイレクト法にやはり軍配が上がるとも考えられます。

それぞれの方法に一長一短があるのは事実。
しかしながらパートナーがいるゲイ、ビアンカップルにとって、ダイレクトに性交を通じて妊娠を狙うのは非現実的。

その為シリンジ法は今後もゲイカップルとビアンの子作りの第一選択肢になることでしょう。

代理母という選択・・・ゲイ男性の代理母事情

代理母、日本では非合法ですが世界のあちらこちらで代理母を立てることで自分の子供を授かることは実質可能です。

そこに報酬が発生する商業的代理出産に関しては倫理的にも大きな議題になっていますが、資金的に余裕があるカップル、またはシングル男性にとっては一つの期待の星として知られています。

日本でも業者を通すことで外国において代理出産を行うことは可能ですが、果たしてゲイカップルの場合も利用できるのでしょうか。

難解な道のりの代理母出産

スペインで同性結婚をしている私も、代理出産により子育てを考えている者の一人です。
代理出産とはいわゆる卵子をドナーから提供してもらい、カップルのどちらかの精子を人工授精させ、その受精卵を代理母に移植する一連のプログラムのこと。

言葉でその流れを説明するのは簡単ですが、非常に煩雑な医学テストをクリアしたとしても、代理母とのマッチングに1000万円程度、またはそれ以上の高額な費用を要するがゆえになかなか手が出しづらいのが現実です。

現在ゲイやレズビアンなどを対象にする代理母プログラムを行っている国は非常に限定的であり、倫理上商業代理出産が禁止されている欧州国家も多く、東南アジア等での代理出産も様々な観点で禁止されることが多くなりました。

現在の選択肢として挙げられるのが、まず実績も信頼力も抜群のアメリカ、そして次点はカナダです。
ネバダ州やジョージア州、カリフォルニア州などはアメリカの中でも特に実績が高い州として知られています。

最近人気になってきたのが南米メキシコで、特に言葉の問題、旧宗主国という歴史的背景からかスペイン人に人気が高くなっています。

エッグドナー、代理母探しから着床まで、それこそため息をつきたくなるほどの険しい道がまっていますが、最先端の移植技術による人工授精が可能になる為、シリンジ法よりも妊娠、出産の確実性は高くなります。

代理母出産に関し危惧しなければならないこと

代理母出産を行うゲイカップルは決して少なくはありません。以前はタイやインドなどの代理母出産に関する法律が制定されていない国で多くの代理母出産がビジネスとして横行していましたが、女性の人権や安全性を無視した体制が問題となり規制が厳しくなりました。

またロシアやウクライナ、ポルトガルなどはゲイカップルの代理母出産自体を違法とし、異性カップルのみを対象にしていることもあり、どうしてもゲイカップルの選択肢は少なくなるのが大きなデメリットです。

前述でも触れましたが、基本的に斡旋業者を通したプログラムになり、下手をしたら不動産をいくつか購入できるくらいの費用がかかることもネックになります。

またゲイカップルのうち、精子を提供した男性のみが遺伝的な父親となること、そしてそのパートナーは実質的に子供を養子として迎える手続きが必要になるなど、ペーパー上の問題も厄介な点の一つです。

日本においてゲイカップル向けの生殖医療を享受できないことが、大きな足かせになっているわけですが、実際同性結婚が合法と見なされている国であっても代理母に関しては禁止されている国も少なくありません。

今後日本が代理母を許可するとは思えませんが、現時点で一つの確かな可能性としての選択肢こそが海外における代理母出産なのです。
莫大なペーパーワーク、弁護士に現地クリニックとのコンタクト、代理母を見つける為のリサーチ期間、そして悩ましい一連のシステム料金・・・。

そこに刃を向けてくる保守的な人たちも後を絶ちませんが、生殖医療はいつも生命倫理によるデリケートな問題を抱えているのです。
それでもエッグドナー、代理母、そして二人のカップルによる大きな家族絵図、そこに夢を見出すゲイカップルは後を絶ちません。

まとめ

難しい、一筋縄ではいかないゲイカップルの子作り事情。
デリケートな問題だからこそ周りに口外するものではありませんし、安易にビアンの友人とスポイト受精を試みるものでもありません。

二人の間に断固たる覚悟、経済性が見いだせない場合は子どもを迎えるのに時期尚早といますが、タイミングと思った瞬間がいつか訪れた際は、各々の価値観やスタイルに合わせて子どもを迎える準備をしてみましょう。

ゲイカップルの特別養子縁組ができない現状における最短の回答は、やはり代理母出産を利用することですが、どんな方法を選択するにしても、そのメリット、デメリットをしっかりと理解してトライしてください。

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この記事を書いた人

橋本ウサ太郎

橋本ウサ太郎
新宿二丁目の元バーマネジャー、海外放浪の末、年下スペイン人男性と同性婚。
スペインの田舎町で悶々とした日々を送りながら平和に暮らすゲイ。
アメリカでの代理母出産により二人パパになる予定の三十路ライター。
好きな言葉は、「ペンは剣よりも強し」。

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