家族の形を望むゲイカップルは少なくない?
ゲイカップルが女性と子どもを育てるという選択肢

カップルプラスαの家族の形を望むゲイカップルは少なくありません。
しばし聞かれるのがレズビアンカップル、シングルマザーと同居し子どもを育てているというカップルの話です。

果たしてそれが何を意味するのか?
ここではゲイカップルの間で見られる、子育ての現実について解説していきたいと思います。

ゲイカップルが子育てをする選択肢を解説

ゲイ男性が子育てを望んでいる、それは決して不思議なことではありません。
世の中にはパパ二人で子育てをしているケースも多いのですが、そこには実際多くの困難が伴います。

つまり経済力、家族の協力、法律、周りの環境が同性ゲイカップルの子育てを難しくするのです。
ここではまず女性と一緒に子どもを育てるゲイカップルの実態を解説する前に、ゲイが子どもを持つ方法についてお話していきたいと思います。

子宮を持たないゲイ男性が子どもを授かるには?

ここでは分かりやすく同性婚をしている私の例を出して説明していきましょう。
私(日本人)とスペイン人の旦那は国際結婚をして8年目になります。

ずっと子どもを持つことを望んできましたが、その実現は非常に困難で今も実現していません。
当たり前ですが男性は種は持っていても、宿す身体を持ち合わせていません。

ゲイ男性の子育てをしたいという希望を叶えるには主に以下の方法が考えられます。

代理母(サロガシー)

男性同士でサロガシーを利用できる国は、アメリカ合衆国、メキシコ、カナダなど限られています。

異性愛者ならば経済的にも法律的な問題も比較的敷居は低くなりますが、ゲイカップルの場合サロガシーができる場所が極端に限られ、尚且つ費用が大変高額になります。

なおウクライナ、インド、タイなどは異性愛者の方のみがサロガシーが利用可能で、同性愛者の利用は原則できません。

特別養子縁組

日本、スペインに関しても非常に厳格な審査が行われ、数年にわたる審査が必須。
経済力、家族構成だけでなく、精神科の受診がないことなども問われ、重箱の隅をつつくようなその審査をクリアするのは至極難しいものと認識されています。

なお必ずしも乳幼児の養育が認められるとは限りません。
海外ではゲイカップルの養子縁組は珍しくありませんが、同性結婚が非合法な日本ではゲイカップルの特別養子縁組は不可能です。

しかし実際にこれらの不確定要素、経済的負担が大きいスタンダードの方法以外で、子育てに参画しているゲイカップルもいるのです。

パートナーと里親制度を利用することも可能

特別養子縁組は、現行では同性カップルは利用できません。
しかし一時的な家庭内での養護、つまり18歳未満の子どもを預かる里親制度は、限局的ながら日本においても結婚をしていないゲイカップルでも利用ができる場合があります。

実際大阪で2016年に里親カップルに認定された例を皮切りに、性的志向、そして婚姻の有無によらない里親制度の見直しが都道府県別で考え直されています。
実際にどのレベルまで認知、理解が進んでいるのかを把握するのは難しく、「前例がない!」の一言で一掃される可能性も少なくありませんが……。

日本においては里親制度や特別養子縁組に対して同性カップルの利用を想定していない為、社会的にネガティブな論争が起こることは容易に考えられます。

可能性としては里子を迎えることは可能ですが、里親制度は「子どもがいないゲイ」の心を埋める手段として活用されてはなりません。
あくまで養育が必要な者にとって安心して帰られる場所を作り、そして子と共に成長していける、それが里親制度というものなのです。

しかしゲイカップルが里親として認められた事実は点が線となり、養育が必要な子どもとって有益な受け皿になるだけでなく、今後の家族の在り方も良い意味で変わっていくのではないでしょうか?

ゲイカップルが女性と共に家庭を築くということ

パートナーと一緒に子どもを育てたいと望むゲイカップルの中には女性と共に子育てに関与していくというイレギュラーなアプローチをする人達もいます。
ここではそんなイレギュラーだけど心温まる触れ合いを実践している人たちを紹介していきたいと思います。

シングルマザーと繋がるゲイカップル

とてもよい試みだと思うのが、シングルマザーで子育てをする女性との交流です。

ゲイカップルがどこまで子ども関与するのかはそれぞれ異なりますが、シングルマザーだからこその悩み、そして子育てに協力したいゲイカップルにとって互いを知り合う機会は大きな実りを生み出します。

既定のフレームにはまらない人と人の心の交流が目的であり、一緒に暮らして生活を共にするという意味での繋がりではありませんが、全く異なる立場から子育て、愛の形の在り方などを互いが学んでいける場であるとの声は多いようです。

例えば一緒に誕生日、クリスマスを祝ったり、勉強を教えて、ご飯をつくったり、当たり前に見える日常を分かち合えるって素晴らしいですよね?

生活費を捻出、学費の援助、一緒に生活をするなど本格的なリレーションを築いているカップルは少ないですが、意外に「しっくりくる」と感じるシングルマザー、そしてゲイカップルは多いようです。

シングルマザーと繋がりを持てる場所は比較的多く、SNSを中心に交流の場が設けられています。
ダイレクトな子育てとは異なりますが、枠にはまらない人と人の付き合いは心の財産になるはずです。

妊活ビアンと協力する

私達カップルも考えた別の視点での子育て方法があります。
それが妊活に励むレズビアンカップルと協力して子作りに励み、そして一緒に育てていくということ。

レズビアンカップルは精子バンクを利用すれば受精させることは可能ですが、どこの誰かも分からない男性の精子を使うよりは、気の知れた仲間、友人の精子で受精したいと思うのは至極自然な事かもしれません。

これは日本、欧州に限らず子育てを望むゲイ、レズビアンカップルが一つのアイデアとして考えるスタンダードな方法です。

しかし〝子育てをするには一つ屋根の下で暮らすべき″、または〝別居しながら子育てをしたい″などなどそれぞれの方針や考え方が違ったり、親権問題が煩雑になる可能性も大きく、実際精子を提供したゲイカップルと、出産したビアン女性とそのパートナーで揉めに揉めることも少なくありません。

日本のように足りないものを補い合うという精神はなかなか外国では息づいておらず、私の友人ゲイカップルも子どもの教育方針、子育て環境、親権で仲違いをし、訴訟になったパターンも……。

利害が一致するように見えて、カップル同士の間で様々な問題が勃発しやすいことから、実際ビアンカップルと協力して子育てをしているゲイ男性はあまり見かけないのが実際のところです。

まとめ

スタンダードな代理母、特別養子縁組(または里親制度)以外にも、子育てに関与していく方法はあります。
それが必ずしも周りに理解されるものとは限りませんし、社会からの風当たりも厳しいものになるかもしれません。

子どもを持ちたいと願うゲイカップルにとっては、現状で子育てをすることは非常に大きなハードルがあるのが現状です。

しかしあなたなりに子どもとの触れ合いの仕方、そして将来のことを今一度考え、どの方法方が子どもにとって、そして自分にとってもベストな選択肢なのか、それをまずは明確にしましょう。

何事もそうですが、一方向だけを見据えるのではなく様々な可能性、アプローチを広げていく柔軟性を持つこと、それは子育てに参画したいゲイカップルにとっても大切になってくるのです。

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この記事を書いた人

橋本ウサ太郎

橋本ウサ太郎
新宿二丁目の元バーマネジャー、海外放浪の末、年下スペイン人男性と同性婚。
スペインの田舎町で悶々とした日々を送りながら平和に暮らすゲイ。
アメリカでの代理母出産により二人パパになる予定の三十路ライター。
好きな言葉は、「ペンは剣よりも強し」。

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