現役ゲイカップルが語る!
代理出産で子どもを迎えるまで(パート4)

数回に分けながら、代理出産Winding Roadについてコラムを書いておりますが、前回のコラムでご紹介したプログラム費用を見ていただいた通り、アメリカほどではないにしてもかなりの金銭負担もあるため、コウノトリの到着をまだかまだかと待つのはまさに忍耐の日々です。

妊娠、出産は奇跡といいますが、今回は果たして本当にそれらが可能なのかということにスポットライトを当てていきます。

比較対象になりがちなアメリカの代理出産についても触れていくので、是非最後まで目を通してみてくださいね。

メキシコもアメリカも変わらない?代理出産の成功率のキーポイントとは

メキシコシティーへ渡航してから早10カ月。
時が過ぎるのはとても早く、特に30代以降はブレーキの利かないアメ車のようで、まさに光陰矢の如しです。

代理母さんの妊娠はまだかまだかと祈るような毎日を過ごしてきましたが、皆さんの中には「メキシコの代理出産は怪しくないのか」とか「本当に妊娠、出産するのだろうか」といった事が気になっている人もいるかもしれませんね。

前回の金銭的な事情と同様に、代理出産で大変重要な「妊娠の成功率」について、私たちの経験を踏まえながら今回もツラツラと筆を進めていきたいと思います。

代理母が出産する確率はあってないようなもの

ロシアやウクライナでの代理出産が実質不可能になってくると、その選択肢は必然的にアメリカ大陸に移ります。

アメリカ、メキシコ(州は限定されます)、コロンビアなどが現在代理出産可能な国として挙げられますが、金銭的負担も大きいですし、本当に妊娠できるのかという不安は常に付きまとうことになります。

私たちは吟味に吟味を重ねメキシコという国を選んだため、それ以外の代理出産事情の詳細はわかりかねますが、ここでは気になる妊娠の可能性について解説していきます。

代理母出産における妊娠確率について

デリケートで難しい問題ですが、代理母が妊娠する可能性はどれくらいなのでしょうか。正直なところ、妊娠は確率論では測れない側面が大きいため、クリニックやネットに転がるような確率を鵜呑みにすることはできません。

参考までに私たちがクリニック側から受けた説明を参照すると、約半数弱のカップルが1回~2回の胚移植で着床し妊娠を迎えるそうです。

中にはメキシコ渡航したその年に、代理母が出産したケースもあると聞きました。
妊娠する可能性は、

  • 胚の質
  • 代理母の年齢や出産経験の有無
  • 単胚なのか二胚移植なのか
  • 妊娠しやすい環境を作るための投薬

などさまざまな要因が妊娠成功率に関わってきます。

クリニック曰く、数回で妊娠に至らないことは珍しくないが、多くの場合では3回、4回目の胚移植で妊娠に至る確率は80~90%程度になるとのこと。

大切なのは代理母の年齢、健康状態と胚の質だと思いますが、まずは期待し過ぎずに長い目で妊活と向き合うことが大切です。

私たちのケース

私自身は妊娠に至るまでには、数年スパンの忍耐が必要になるであろうと覚悟はしていました。流れとしては精子の状態を見て受精となりますが、状態の良くない胚は凍結保存をしてキープ。

そして検査可能な受精卵がある場合は着床前診断(こちらはプログラム料金に含まれておらず、オプション扱いなので必須ではありません)を受けて、染色体異常があるかないかを調べます。

その後に代理母さんに胚移植を行うのですが、私たちのケースでは思うようにことが進まず、2回の胚移植では着床しませんでした。妊娠は奇跡ということは頭の中でわかっていても、やはりとてもショックでした(特にパートナー側のショックが強かったです)

先日3回目の胚移植が行われましたが、3度目の正直で無事着床し妊娠が確認されました。ただし、妊娠初期の段階ですので、流産することなく元気な子どもが生まれるかは現時点ではわかりません。

信頼できるドクターに医療スタッフ、複数回の出産経験がある代理母さんだとしても、やはり不安や心配がぬぐえないのは仕方のないことです。

ちなみに私たちの場合、胚移植しても問題がない良好な受精卵が2つ、凍結胚が1つあったため、3回目の胚移植ではいわゆる複数胚の移植を行いました。

複数胚の移植を選んだ理由としては、

  • 1~2回目の胚移植時よりも3回目の着床率が高いデータがあったため
  • 双子を授かる可能性がある
  • パートナーの強い希望

が挙げられます。

もちろん2つの胚を移植したとしても、必ずしも双子が生まれるわけではないのですが、特にパートナーの希望が強かったこと、これが決断の決め手になりました。

なお多胚移植については早産や合併症など、大きなリスクに結びつく場合があります。そのため、代理母の健康状態を鑑みて、ドクターの意見を仰いで二胚移植をするか否かを決めなければなりません。

アメリカとメキシコの妊娠成功率を隔てる要素とは

正直なところアメリカだから絶対着床、妊娠につながるというわけでもないし、南米圏なので成功率が低いとは言い切れません。

アメリカのプログラム費用はメキシコの約1.5~2.0倍程度(上限知らず)、しかしアメリカは代理出産のパイオニアです。だからこそ、アメリカでの代理出産に対して過剰な期待をしてしまいがちですが、実際のところはどうなのでしょうか。

ここではメキシコとアメリカ、両国の妊娠成功率の違いを生む要素について解説していきたいと思います。

お隣の国同士、妊娠成功率はそれほど相違なし?

前項でもお話していますが、妊娠の成功率は単純に数字だけで比較できるものではなく、妊娠に至るまでの道筋やケースもそれぞれ異なりますので非常に多彩な変数が存在し得るということをまずは肝に銘じておかなければなりません。

法整備が100%整っていないとしても、メキシコにおける胚移植の症例、実績が増えてきたため、何かとアメリカの「妊娠率」と比較されがちですが、決してメキシコの代理出産の妊娠確率がアメリカより劣るわけではありません。

アメリカだから妊娠、出産が保証されているのにメキシコの場合はとネガティブに捉える方は少なくないのですが、そのあたりを誤解してはなりません。

お話したとおり、妊娠の成功にはさまざまな因子が関わっており、基本的には胚を移植した数、妊娠に至るまでの治療サイクル数によって妊娠の確率が求められます。

そのため同じ国内であっても、メキシコとアメリカ両国間のクリニックを比較した場合でも、若干算出データが異なります。

大切なのはいかに質のよい胚を移植するか、そして適正な代理母を選べるかということです。

適正という言葉が正しいかはわかりませんが、つまり妊娠に悪影響を及ぼしかねない飲酒や喫煙を行ってないか、過去の妊娠、出産履歴や既往歴、代理母をサポートする家族がいるのか、そして職業や収入に至るまで細かく精査した上でのマッチングが重要です。

現在は胚移植の医療技術も向上し、練られた治療プランと代理母への十分なケアが整っているため、以前に比べたら飛躍的に妊娠の成功率が高まっています。

アメリカとメキシコの妊娠成功率に違いがあるとするならば、その臨床数の差と卵子提供者や代理母候補の分母の数の大きさではないでしょうか。

なお私の周りでアメリカを選んだ人達の特徴を列挙すると、

  1. 金銭的にかなり余裕がある
  2. 自身もしくはパートナーのルーツが北米にある
  3. 子どもにアメリカ国籍を与えたい
  4. アメリカという国、文化に強いあこがれがある
  5. 英語に問題がない

などです。
代理出産の候補地選びは子どもを持ちたい親たちの居住地や言語、経済状況によると思いますが、スペインに限らずほとんどの場合は「1」と「3」を満たすカップル(もしくはシングル)がアメリカでの代理出産を希望する傾向があるようです。

まとめ

今回のコラムではどの程度の成功率で妊娠するのかという本質的な部分に迫ってみました。

まとめると、メキシコだからアメリカに比べて妊娠成功率が下がるということではなく、胚の質と妊娠に適した代理母とマッチングできるかという部分が妊娠成功のカギになります。

クリニック側から言われたのは単一胚よりも二胚移植の方が必然的に妊娠の可能性は高まるということ。そして、1度の胚移植で着床しなくとも、3~4回目までには妊娠することが多いということです。

耳にタコができるかもしれませんが、精子や提供卵子の状態、胚の成長具合、代理母の年齢や健康状態など、さまざまな因子が妊娠に影響してくるので、あまり数字だけに捕われないでください。

そして、クリニック同士、国同士の比較がときに当てにならないこともあることを覚えておいてくださいね。

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この記事を書いた人

橋本ウサ太郎

橋本ウサ太郎
新宿二丁目の元バーマネジャー、海外放浪の末、年下スペイン人男性と同性婚。
スペインの田舎町で悶々とした日々を送りながら平和に暮らすゲイ。
アメリカでの代理母出産により二人パパになる予定の三十路ライター。
好きな言葉は、「ペンは剣よりも強し」。

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