ただでさえ少ないゲイの出会い。
HIV感染者同士の出会いの場は何がおすすめ?

  • 2020.11.25
  • 2021.06.01

恋愛・結婚

HIV感染イコール死の病ではなく、今はパートナーと一生一緒に添い遂げることができる慢性疾患の一つとして捉えられています。
HIVに感染すると恋も投げやりになり、臆病になってしまうかもしれませんが、最近はHIV感染者同士の恋愛も多いそうです。

諦める必要のないポジティブの恋愛事情と出会いの場、今回はHIV陽性の方にぜひ読んで頂きたいと思います。

HIV感染でも真剣な出会いは結婚相談所でもできる

HIVという言葉に敏感に反応してしまうゲイ男性は多いと思います。
好きな人、これからセックスをしようとする男性がもしHIVポジティブだったら、やはり二の足を踏んでしまうことでしょう。

そしてHIVポジティブの方はそれ以上に自分の心に土足で入り込まれることに物怖じし、恋愛を諦めてしまう方もいますが、実はゲイ向け結婚相談所やアプリのHIV感染者の登録者数は少なくないのです。

ここではポジティブ当事者も前向きに恋愛をしてほしい、そんな願いを込めて出会いの場、可能性の大きさを解説していきます。

ゲイ向け結婚相談所もHIV感染者の利用が可能

ご存知の通り日本では同性婚が非合法ですが、それでもリザライのようにゲイ、レズビアンに特化した結婚相談サービスが人気を博しています。
基本的にこれらのサービスに登録されているメンバーは、年齢も職業もバックグラウンドも十人十色であり、HIV感染などの病気を理由に入会できないことはありません。

HIV感染者、そして病気に理解を持つ利用者も少なくない為、例えば「当事者同士でお付き合いをしたい」や「HIV感染に理解がある交際相手を希望」などの細かな要望に対しても柔軟に対応してくれることは大きなサポート体制の賜物と言えます。

勿論HIV感染当事者の登録は多くはありませんが、それでも真剣な恋愛をと考えている方にとって、ベストオプションになってくることは明白です。

ポジティブゲイ専用アプリも充実

正直なところ日本マーケットに焦点を絞ったゲイ向け出会いアプリでHIVポジティブに特化したサービスを提供しているところはほぼ皆無。

皆さんが利用している欧米発のゲイアプリもHIVポジティブの方の登録は一定数ありますが、実際「本格的な恋愛」を主体にするのであればHIVポジティブ専用のデートアプリを利用するべきです。

これらは基本英語を共通言語にしてインターナショナルで展開しているマッチングサイトなので、HIVポジティブ当事者が悩む「病気の告白」という難しい局面が排除されるので、軽い気持ちで恋愛に望めます。

基本的にこれらのサイト利用者はHIVポジティブまたはHIVフレンドリーのみが登録可能、そして投薬に関する情報、フォーラムの充実性などが特徴です。
勿論一歩踏み込んだ利用者との連絡などは有料サービスですが、国を超えて同じ境遇同士で恋を育める大きなツールとなっていくはずです。

結婚相談所、アプリ利用の良い点と悪い点

HIV感染者同士の恋愛、もしくは理解ある人との恋愛は人生の質を大きく向上させる要素になってくるはずです。
それを担うのが今回ご紹介しているゲイ向け結婚相談所、ゲイアプリの存在になるわけですが、どちらもやはり一長一短、それぞれの特徴を踏まえて自分に合ったサービスを選んでいく必要があります。

まず結婚相談所について見てみましょう。

  1. 日本語による利用と大きなバックアップが得られる
  2. 本気の出会いを求めている方ばかりで冷やかしがいない
  3. 納得がいくまで紹介が可能

これらが結婚相談所を利用する最大のメリットです。
しかし前述のようにHIVポジティブの登録者はそこまで多くなく、入会と同時にカミングアウトが避けられないのはデメリットかもしれません。

次にアプリに関してみてみましょう。

  1. 全世界のHIVポジティブ、HIVフレンドリーが恋愛対象になり得る

HIVに特化したサービスを行っているゲイアプリのメリットは上記に限ります。
日本のみならず全世界のポジティブゲイ男性が登録しているので、外国人に興味があるという方にはオススメかもしれません。

しかし利用規約精読やメール送信などに英語が必須になること、結婚相談所のようなオンラインのサービス、サポート体制がない為、語学に不安がある方は利用に躊躇してしまう場合もあります。

またゲイアプリはSNS同様に「ピコピコ」とメッセージが来るため、いわゆるアプリ中毒になってしまうケースが多い点にも注意が必要です。

ナイジェリア詐欺のようなオフラインを舞台にした国際詐欺も横行していること、中にはHIV陽性対象者とのセックスを目的にした利用者もいるようなので、やはり利用に関しては慎重になった方が良いかもしれません。

このように結婚相談所もゲイアプリもそれぞれが持つ特徴は大きく異なるので、どの程度真剣な関係を望んでいるのか、日本国内もしくは海外にもその可能性を広げていくのかなどを明確にしてから、自分に合った形のサービスを利用しましょう。

HIVに感染したことが恋愛に前向きになるきっかけに

私の周りのHIV陽性当事者に共通していることがあります。
それはHIV感染と同時に大きな負の波にさらわれ、一種の自暴自棄、精神不安定の時期を過ごしてから、急に恋愛をしたくなるということ。

勿論人それぞれ異なりますが、HIV感染をきっかけに改めて真剣に恋愛をしようと思う人も多い事実もあるのです。

なぜHIVが恋愛のトリガーになるのか

HIVに感染することで、多くの方はまだまだ消えないHIVに対する偏見、これから発生するであろう医療費、会社や家族などに知られてしまうのではという恐怖から恋愛どころでなくなってしまいます。

しかし冷静に自分を見つめられる時は来るもので、HIV感染を理由にあれもこれも諦めなければならないことに対して疑問符を持ち、何かに打ち込める趣味や資格取得、そして恋愛に対して積極性を見せるようになるようです。

実際ゲイ男性は恋愛をしても、結婚や出産、子育ての具体的な展望を見いだせず、なかなか長続きする恋愛ができる方は少ないですが、実際HIV陽性者の恋愛を見てみると、互いの信頼を盾に愛ある生活を維持しているカップルは数多く存在するのです。

個人的な見解ですが、「HIV感染していること」や「HIVに感染させてしまうかもしれない」そんな不安を乗り越えることが、当事者にとってもそのパートナーにとっても、HIV感染の事実が礎になり互いの関係を強固なものにしていくのかもしれません。

HIV感染に寛容な姿勢を見せてくれる人は少ないかもしれません。
しかし最近は前項の通りHIV陽性者であっても利用可能な結婚相談所、ゲイアプリなども充実しているので、容易な諦めを選択するのではなく、それをバネに積極的に婚活をしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

HIVに感染してしまうと、パートナーと恋愛を継続する為にも、いくつかの大きな壁を乗り越える必要があります。
パートナー、そして家族へのカミングアウト、投薬と今後の健康管理、自身のキャリアとパートナーとのセックスなど。

しかし実際蓋を開けてみると、困難に思える現実であっても二人であれば乗り越えていける、いつの間にか同棲、親公認の仲になっていたというパートナーも沢山います。

陽性同士、HIV感染フレンドリーのパートナーに出会うのは天文学的な数字と誤解されがちですが、実は意外にも門戸が開かれた出会いの場が提供されているものです。

まずは自分の恋愛のスタンス、価値観、つまりどんな生活を将来的に送っていきたいのかを明白にして、今の自分に合った出会いの場所、出会いの可能性がある場所を選択していきましょう。

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この記事を書いた人

橋本ウサ太郎

橋本ウサ太郎
新宿二丁目の元バーマネジャー、海外放浪の末、年下スペイン人男性と同性婚。
スペインの田舎町で悶々とした日々を送りながら平和に暮らすゲイ。
アメリカでの代理母出産により二人パパになる予定の三十路ライター。
好きな言葉は、「ペンは剣よりも強し」。

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