多くのゲイが悩む「家族へのカミングアウト」
するタイミングは?それとも嘘をつき通すべき?

ゲイカップルが直面する一つの壁としてカミングアウトが挙げられます。
そもそもカミングアウトが必要なのかは個々の価値観にもよりますが、いずれ向き合うことになるであろう家族への伝達は会社、友人へのカミングアウトとは異なるよりセンシティブなもの。

過去に、リザライマガジン内でも何度か「カミングアウト」をテーマにした記事を執筆してきています。

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【体験談】家族?友人?ゲイをカミングアウトするなら誰からが良いのか
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今回のコラムではそんな家族へのカミングアウトについて考えていくので、現在彼氏持ちの方も、いつか彼氏を……と思っている方も参考にしてみてください。

嘘も方便?家族に伝える必要はあるとは限らない!

嘘は嫌いでも、しかし時に嘘をつくことが大きな救いに繋がることがあります。
ここでは家族へのカミングアウトの際に揺れ動く、「伝えなくてもいいかも……」という心の葛藤を覗いていきたいと思います。

親に言わない選択肢が正しい場合とは?

個人的な体験談になりますが、私は自分の性指向、そして同性結婚の事実は親兄弟には一切知らせていません。
同性婚をしたのが2013年頃なので7年間、私の両親は友人と紹介したスペイン人男性が私の伴侶とは知りません。

勿論結婚式も私サイドの親族参加はゼロ、一定の理解がある友人だけで祝ってもらいました。
今まで育ててくれた両親に祝福されない結婚は幸せなのか?との呵責はありましたが、高校時代の恩師が私にこう言ったのを思い出します。

「無理にあなたの性指向、彼氏の存在(今の旦那)を言う必要なんてない。頭でわかっていても理解できない人、世代はあるの。一番大切なのは周囲の理解ではなく、あなた達が幸せであるかということよ」

この言葉に救われた気がしました。カミングアウトをする、しないで旦那と揉めたことはありますが、それをすることで生じるであろう亀裂は容易に想像可能でした。

同性婚が認められない日本と、カトリックであるにも限らず同性婚ができるスペインでは、ゲイを取り巻く環境や制度が大きく異なりますし、親世代の許容範囲がどの程度なのかは私自身が一番わかっています。

勿論理解のある親御さんを持つ方も多いと思います。
しかしゲイである事実、彼氏の存在を打ち明けることは、当事者以上に家族の精神面、身体面に少なからず影響を及ぼすことがあります。

詳細は次項で解説しますが、デリケートな問題である家族へのカミングアウトは多方面の事項を考慮しタイミングをみて打ち明けるか否かを判断するべきであり、時に嘘をつくことが平安な関係性を継続する為に必要なこともあるのです。

カミングアウトをするか否かを判断すべきポイント

私自身の体験談から、カミングアウトをすることが逆に家族との縁や関係を悪化させることもあるということを分かって頂けたと思います。
それではどんな場合にカミングアウトを避けるべきなのか、配慮しなければならないのか、その要素を考えてみましょう。

  1. 親の年代
  2. 性差、民族差への差別意識の有無
  3. 宗教観
  4. 居住地
  5. 兄弟姉妹がいるか否か

勿論上記以外にも家族へのカミングアウトを難しくするポイントは点在していますが、特に大切なのが「1」と「2」です。

つまり親の年齢が60代以降だとゲイやレズビアン、同性カップル、そして同性婚などのイレギュラー要素を吸収できる程のスポンジを持ち合わせていない場合が少なくありません。

また外国人に対して差別意識を持つ方も、LGBTQに対し無意識に拒否感を示す方が多く、私の両親の場合は年齢的問題以外にも排他的な差別意識を持つことからカミングアウトを諦めました。

敬虔なキリスト、イスラム教の家庭ではゲイである子ども、そしてそのパートナーを許容するのが難しいのは明白ですが、日本においてそこまで問題になることはないかもしれません。

ただ「4」の居住地については、特に田舎の横と横のつながりや本家分家など家族の連帯が強い場合、世間体がゆえに受け入れられない場合があります。

どちらにせよ大きな味方になり得るのは年の近い兄弟姉妹や親類がいるか?が一つのキーポイントになります。

彼らの存在は大きく、親と自分、パートナーの間をつなぐ緩衝剤としてサポートしてくれる場合が多く、カミングアウトを考えているという方はまず兄弟や姉妹などに助け船を要請するのが良いアイデアかもしれません。

タイミングと準備が鍵!家族へのカミングアウトを成功させるコツ

物事を遂行するにはタイミングと用意が肝心です。
それはゲイである自分、彼氏との関係を家族にカミングアウトするのにも同様。

ここでは「嘘をつき通す選択肢」を選ばない、カミングアウトを成功させたい方々に読んで欲しい、そのタイミングと心の準備について解説していきたいと思います。

カミングアウトする前の心の準備はできている?

家族へのカミングアウトというのは、ただ何となく伝えることではありません。
いかに説得力を持ち伝えられるかが大切です。その為にはまず伝える側の私達が、自身の性自認をしっかり理解し、一切の迷いや躊躇なく伝えられる余裕が必要です。

自信なさげにぼそぼそと伝えるのではなく、ハッキリと自分の性自認を、そしてパートナーの存在を話す為には、そもそも〝ゲイとは?″という知識面を正確に話せるかが重要です。

何事もそうですが、知識に裏付けされた言葉は説得力があります。
「ゲイ?つまり女性になりたいのか?」と誤解を受けることもありますので、正しい知識を啓蒙する必要があるでしょう。

そして自分がいつ頃から男性に興味があり、〝どんな生活を送っているか″〝彼氏はどんな人なのか″を恥じることなく説明できる状態でなければなりません。

なお青春時代からの態度や振る舞い等で家族もうすうす気が付いていたというケースは比較的容易に受け入れられる傾向があります。

しかし大多数はゲイの定義からなぜカミングアウトをしようと思ったのかまでをいくら根気強く説明してもなかなか理解してもらえず、それこそ数か月~数年スパンでの時間を要する場合も少なくありません。

その為、伝える側も途中で投げ出さない忍耐力を持たなければならないということは言うまでもありません。

自分にとってのベストタイミングを見つける

さてどんなタイミングでカミングアウトをするのかという点についてですが、ベストなタイミングというものは個々の心の余裕であったりライフスタイルによっても異なるため、明確な時期というものはありません。

しかしここでは家族に伝える上で、最低限クリアしていきたいタイミングをご紹介していきたいと思います。

  1. 家族に受け入れられなくてもかまわないという覚悟ができた時
  2. 彼氏と信頼関係が出来上がった時
  3. 自立した社会生活を送られるようになった時

が挙げられます。

まず前述のように相手家族の思考意識や価値観は私達が変えられるものではなく、理解に時間がかかり、そもそも拒絶される可能性も十分秘めています。
その為、勘当されるという最悪の危機が訪れても、それを受け入れられる心の土壌を肥やしてからカミングアウトはすべきです。

また彼氏については付き合いたてよりは、お互いの信頼関係が構築されてから行うべき。
時期を明言することはできませんが、同棲やパートナーシップを申込んだタイミングで家族に話す方が多いようです。

しかしいずれの場合にせよ、大切なのは自分自身が自立して生活をしているということ。
経済的自立ができているか否かで、受け入れ側の姿勢にも違いが出てくるということも覚えておきましょう。

まとめ

ゲイであること、彼氏との関係をカミングアウトすることは人生にとっての必須条項ではありません。
あくまで当人同士が満足できる幸せな生活ができていれば、リスクを犯してカミングアウトする必要はないのです。

カミングアウトはイチかバチかの賭けのような側面があり、それを成功させるには障害になりそうな要素をクリアし、適したタイミングで行う必要があります。

難しいことですが、やはりカミングアウトをすべきだと思う方は今回の記事を参考にし、時期や伝え方だけでなく、その手段(対面だけでなくSNSやメールなども)を吟味し、手助けしてくれる家族、友人の手を借りることも検討しましょう。

そして最後に一番大切なことは、それは卑下した自分を晒すのではなく、自分を受け入れた上で自信を持って真摯に伝える、これに尽きるでしょう。

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この記事を書いた人

橋本ウサ太郎

橋本ウサ太郎
新宿二丁目の元バーマネジャー、海外放浪の末、年下スペイン人男性と同性婚。
スペインの田舎町で悶々とした日々を送りながら平和に暮らすゲイ。
アメリカでの代理母出産により二人パパになる予定の三十路ライター。
好きな言葉は、「ペンは剣よりも強し」。

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