日本の同性愛の需要度について。
日本は36ヶ国中25位という低さを知ってましたか?

  • 2019.09.01
  • 2019.09.02

ニュース・情報

経済協力開発機構(OECD)が2019年4月1日に発表した「図表で見る社会2019(Society at a Glance 2019)」によると、LGBTと自認する人の割合が増加傾向ことにあるが明らかとなりました。

今回は報告書の概要を説明しつつ、日本における同性愛の受容度についてまとめてみました。

LGBTという言葉が多くの人に知られ、浸透しつつありますが、実はまだまた日本はLGBTの受容度という点では低い国とされています。
その順位も、OCED加盟国の中では36ヶ国のうち25位ということが明らかになっています。

LGBTの包摂は、OECD諸国の政策の重要課題とされています

OECDとは「Organisation for Economic Co-operation and Development」の略で、第二次世界大戦後、米国が欧州諸国の経済を支援するマーシャルプランを発表したのを機に1948年に発足したOEEC(欧州経済協力機構)を前身として、1961年9月に設立された組織です。

フランスの首都・パリに本部が置かれ、日本は1964年に加盟しており、現在ではEU22ヶ国をはじめ世界35カ国(アイスランド、アイルランド、アメリカ、イギリス、イスラエル、イタリア、エストニア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、ギリシャ、スウェーデン、スペイン、スイス、スロバキア、スロベニア、チェコ、チリ、デンマーク、ドイツ、トルコ、日本、ニュージーランド、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、メキシコ、ラトビア、ルクセンブルク、五十音順)で構成。

先進国間の自由な意見交換・情報交換を通じて1.経済成長、2.貿易自由化、3.途上国支援に貢献するとともに、世界中の人々の経済的・社会的福祉を向上させる政策を推進することを使命としています。

そのOCEDが発表した「図表で見る社会2019」(以下、報告書)では、第1章でOECD諸国における性的少数派の規模や、LGBTの置かれている社会経済状況について包括的に概要を説明。

まずは、LGBTが依然として様々な差別を受けていることに触れ、性的少数者がOECD諸国で完全に受け入れるまでにはまだ長い道のりがあるとしつつ、セクシュアル・マイノリティの包摂はOECD諸国の政策の最重要課題となるべきであるとしています。

OECD内のLGBTはチリやオランダの人口と同等以上

OCED加盟国内には、どれくらいのLGBTが存在しているのでしょうか。
これまで国勢調査に、性的指向や性自認を問う質問が含まれていることがほぼないことから、正確な数字は明らかとなっていません。

しかし、OCED36カ国のうち推定値の入手可能な14ヶ国では、性的少数者の成人人口に占める割合は2.7%とされており、14ヶ国のトータルでは少なくとも1,700万人以上がセクシュアル・マイノリティとして自認、これはチリやオランダの総人口に相当する数となっています。

LGBTを自認する割合は高まりつつある

LGBTを自認する割合は、世界的に高まりつつあることが、今回の調査でも明らかとなりました。

アメリカでは、1945年以前に生まれた人のLGBT自認割合がわずか1.4%に留まったのに対し、ミレニアム世代(1980〜1999年に出生)では8.2%と1割近くに上るなど、若い世代ほどLGBTを自認する割合が高まっていることが分かっています。

LGBTは現在も不利益を被っている

報告書では、LGBTを自認する割合が世界的に高まりつつある一方、依然として不利益を被っているとしています。
OECD諸国におけるLGBTとLGBT以外の労働市場成果を比較した50件ほどの研究論文によると、LGBTが雇用される可能性はLGBT以外の労働者と比べて控えめに見積もっても7%低いだけでなく、労働所得も4%少ないのだとか。

また、求職者が同性愛者であると雇用主が認識(同性愛者の組織でのボランティア活動や就業経験を履歴書等に記載)した場合、面接に呼ぶ可能性が低くなることも指摘されています。

LGBTは精神疾患にかかるリスクが高い

前述の差別との関係性は不明であるものの、LGBTの多くが心理的苦痛を感じていることを明らかにしています。
性的少数者の精神的健康の度合いが低い要因について報告書では「出生時の性別と性自認が一致していることが唯一の正常な在り方」だとの見方が大方を占める社会環境で生活していることも、そのひとつであると解説しています。

LGBTの存在と不利益を統計で可視化することが重要

こうした状況下、性的指向や性自認に関する情報を国勢調査や各国の労働力、健康、犯罪被害に関する調査で収集することは、LGBTが被っている不利益に対する意識を高める上で重要であるとコメント。

また、差別禁止法や均等法の施行が社会規範の形成につながり、LGBTの社会的包摂性が改善すると説いています。
実際に同性の関係を認める政策が採られた国では同性愛の受容がそれ以外の国々より急速に進んでいることから、法改正がLGBTの社会的受容度を増すことにつながるとしています。

日本の同性愛受容度は36ヶ国中25位

さて、ここまでLGBTを取り巻く環境についてお伝えしましたが、日本の同性愛に対する受容度は高いのでしょうか、低いのでしょうか。

今回の報告書では「同性愛を正当とみなすことができると考えるか」という質問に対して、1〜10(1は全く認められない、10は常に認められる)の点数で回答した内容を、国別に換算した数値を発表しています。

OCED36ヶ国全体の平均値は5.1点、最も高いアイスランドでは8.3点で、最も低いトルコでは1.6点と大きな違いが見られました。

具体的な順位は

  • 1位:アイスランド
  • 2位:スウェーデン
  • 3位:オランダ
  • 4位:ノルウェー
  • 5位:デンマーク
  • 6位:スイス
  • 7位:スペイン
  • 8位:フィンランド
  • 9位:ルクセンブルク
  • 10位:オースリラリア

見て分かるように、北欧諸国が上位を独占しています。
11位以下は

  • 11位:フランス
  • 12位:ドイツ
  • 13位:ベルギー
  • 14位:カナダ
  • 15位:ニュージーランド
  • 16位:オーストリア
  • 17位:アイルランド
  • 18位:イギリス
  • 19位:チリ
  • 20位:スロバキア

とヨーロッパ諸国が続きます。

以下、

  • 21位:アメリカ
  • 22位:チェコ
  • 23位:スロベニア
  • 24位:イスラエル
  • 25位:日本

となり、日本はこの位置の25位にようやく登場します。
日本より下位は、

  • 26位:メキシコ
  • 27位:ポルトガル
  • 28位:ギリシャ
  • 29位:ハンガリー
  • 30位:イタリア
  • 31位:ポーランド
  • 32位:韓国
  • 33位:エストニア
  • 34位:ラトビア
  • 35位:リトアニア
  • 36位:トルコ

となっており、バルト諸国は軒並み低い順位となりました。

日本の同性愛受容度はまだまだ道半ば

報告書では日本のLGBTを巡る環境についても触れています。
LGBTに対する受容度は世界的に改善傾向にあるものの、大幅な改善の余地が残されており、日本も例外ではないと指摘されています。

日本国民は同性愛の完全な社会的受容にはまだ道半ばであり、前述の受容度スコアは5ポイントでOECD平均と一致しているもの、子どもが別の性の格好をしたり自己表現したりすることを認める割合も45%と過半数を下回っていることを明らかにしています。

また、差別を法律で禁止して平等な権利を確保することは、LGBTが置かれた状況を改善するためには不可欠であるものの、日本がこの分野で遅れており、雇用で性的指向に基づく差別をすることが明示的に禁じられておらず、同性婚も法制化されていない、とまとめています。

OCED加盟国は一般的に先進国として認められていますが、そのOECD諸国でも同性愛に対する受容度には各国間で大きな違いがあり、先進的な国からそうでない国までまちまちです。

先進的な国で同性愛への受容度が10点満点中8.3点というのを高いと見ますか、それとも低いと捉えますか。

それぞれの考えや価値観によって捉え方は変わってくると思いますが、報告書の中でもあるように、少なくともLGBTに関する情報をまとめた統計データを発表し続けることは、LGBTのより暮らしやすい世の中へ不可欠なのではないでしょうか。

次回の報告書では、同性愛の受容度がさらに上がっていることを心から願っています。

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この記事を書いた人

いなば

いなば
神奈川県生まれ。小学生の頃から何となくゲイだと気付き、中学高校と男子校で過ごすなかでセクシュアリティーを確信。大学在学中に母親へカミングアウト済み。
20歳で初めて自分以外のゲイと出会う。
相方の海外駐在に伴い、退職して赴任先へ付いていったことも。
生意気で向こう見ずなクソガキ時代から年齢を重ね、徐々に穏やかで楽天的な性格に。元新聞記者で現在はライター・カメラマン・インタビュアーとして活動する東京在住の40代ゲイ。

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